雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

時差ボケ

ベルギーの電車にて

ベルギーに到着。日本を11時頃出発。約10時間のフライトでロンドンに午後4時について5時半に乗り換え便でブラッセルへ。空港から列車に乗って、デンデルリーフというかわいい名前の駅に着いたのが夜の10時だった。日本を出てから見かけ上は9時間の旅。家を出たのは午前6時だったから、実質は24時間の旅だった。

時差ボケについて「ニシマキさんでも時差ボケなんてあるんですか?」と藤波貴久選手についこの前聞かれた。ふだん昼夜ひっくり返った生活をしているから、実際の昼夜がひっくり返ったって、問題はなかろうというのが彼の推察である。そんなこたぁないんだな。むしろ、朝起きて夜寝るという生活のリズムを守らなければいけない制約がないから、へたをするといつまでたっても体内時計が新しい国になじまない。日本からヨーロッパに行くときには、西向きに移動するから多少は時差ボケが軽いのと、現地に着いてから昼間動く仕事がいっぱいあるので、強制的に体内時計は矯正されるけど、それでも数日間はなんだかおかしい。

まず、妙な時間にトイレにいきたくなる。ぼくの場合、朝ご飯を食べなくても起きたらうんちをしたくなるんだけど、とにかく朝になったらうんちをすべしというお約束がからだの中にできているようだ。ヨーロッパに渡ってしばらく、およそとんちんかんな時間にもよおしてくる。今も、ヨーロッパ初日にして、朝4時に目が覚めてしまって、これを書いているんですけどね。

うんちだけじゃなくて、ふだんは夜中におしっこに起きるなんてことはないんだけど、今日は2回も起きてしまった。これも時差ボケだ。

しかしおかげで、いいものを見た。今泊まっているのは、杉谷所有のキャラバンだ。そのキャラバンは、ノールマンさんというブラッセル郊外の自動車屋さんの庭に泊まっている。トイレは工場の中にあるけど、おしっこはそのへんに勝手にしてねというお約束。だからおしっこはキャラバンのドアを開けて、空の下で開放的におこなうことになる。

10時に寝るときには、まだ空には夏の星座が光っていた。天頂には七夕の織り姫さまと彦星さま。ここはブラッセルから10kmばかり離れた郊外なので、天の川もかろうじて見えた。

次に起きたのは1時半くらいだった。空は秋の星座になっていた。秋の星座は、目立たないのが多い。水瓶座とかアンドロメダとか、明るい星がないんだね。夏の星座を見てから3時間、空の季節はすっかり移り変わっていた。

そして今さっき、またおしっこ。東の空からは、オリオン座が登ってきていた。一晩で、夏から冬まで、一足飛びに星座を眺めたことになる。プラネタリウムだったらボタンひとつでこんなことも可能だけど、これはまぎれもなくホンモノの空。時間だけじゃなくて季節までぼけてしまったわけだけど、季節の流れが一晩で見られるのだから、時差ボケも、悪くない。

写真は、ベルギー空港からベルギー市内へ向かう列車の中で雑誌を読むおじさん。英語で電話していたから、どうやらベルギー人ではない模様。