雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

アールスト

アールストは、ホンダ・ヨーロッパの本拠地のある街で、ホンダ・レーシングの総本山でもあるから、日本のレース関係者には、この街を知らない者はほぼいない。でもぼくは知らない。もぐりだからってことにしておこう。


アールストで知っているのは、杉谷が連れてってくれる、町外れのコインランドリーだけだ。鉄道の線路をくぐった先にあるコインランドリーは、なんだかさびしい通りに面していて、人種的にも風体的にも、なんだかだいじょうぶかなぁと心配になるような人が通りすがる町並み。まぁ彼らも、なにかの縁で話をすることになれば、けっしてあぶない連中じゃないんだけど、景色としてみると、あぶなっかしく見えてしまう。こっちの目が、日本人の視線になっているというのもある。
おまけに本日は、洗濯機を回して飯を食いにいって(この店がまたチャールズ・ブロンソンのできの悪い弟みたいなのがやっている、あぶなっかしい店。シシカバブはうまかった)帰ってきたら、なんと停電で止まっている。おまけにフタも開きゃしない。なにをしゃべってるんだかさっぱりわからない(言語的な問題ではなくて、ろれつが回っていない)お兄さんも、憂いを秘めたおねーさんも、洗濯物を抱えて待っている。ぼくらは洗濯物を人質にとられているので、おとなしくそのへんを散歩してくることにした。
で、はじめてアールストのセンター街へでたわけだ。
あーん。なかなかいい街なんじゃないの。街の真ん中の広場で、のんびりしていたら気持ちがよさそうだ。今までアールストといったら、なんとなく暗くてあぶなそうな街という印象があったけど、ごめんなさい、あらためます。
街は、少しのんびり歩いてみなければ、わからない。
気持ちのいいアールストに出会って帰ってみたら、コインランドリーの停電は解決しておりました。