雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

小鹿野町の住民となる



道の向こうの雲

 突然ですが、引っ越ししました。埼玉県小鹿野町。役場から、さらに5kmくらい走ったところの古民家を借りました(古い家だからこう書いちゃったけど、小民家というほどおしゃれじゃないです。大家さん、ごめんなさい)。
 今回ヨーロッパから帰ってきて、そのままこっちに移ってきた。荷物はいっさいがっさいこっちに運んであったんだけど、すべて段ボールの中だから、なにをするんでも段ボールを開けるところから仕事が始まる。しばらくは宝探しが毎日の日課だ。
 家の中でも宝探しなんだけど、それはぼくの不徳のいたすところで、ぼくはこの町に、もっと大きな宝探しをしにやってきた、はずなんだ。まだ、どうなるか、さっぱりわかんないけども。


 さて、日本に帰ってきてからこっち、この国はお天気がそうとうに荒れ模様。今日、ようやく晴れ上がった。あんまりいいお天気だったから、こっそりオートバイを走らせてみた。いやなに、誰が見張ってるわけでもないし、悪いことしてるわけではないのだから、こっそりする必要なんてなにもない。



菖蒲園

 まず、一番近所の角を曲がってみる。すぐに菖蒲の庭園があった。お気の毒に、イノシシの被害が多いらしくて、まりわを電線で囲われている。今日は、一日中山のほうから鉄砲の音がしていたけど、あれはイノシシを撃つ音なのかな? 鉄砲の音を聞きながらすごすのはあんまりよい気分とはいえないけど、里に降りてひとのものを荒らさざるをえなくなった(であろう)イノシシもかわいそうだ。
「オートバイで山の中走り回るのもいいけど、熊もでるからな。気をつけろよ。あと、鉄砲撃ちに撃たれたりするなよ」
 今回の移転のお世話になった(そしてこれからもお世話になる)Kさんは、こんなふうに言っている。熊のでるような山の中には、いきたくないよ。鉄砲にも、撃たれたくない。
 うちの近所のエリアは、山の上のほうまで、きちんと整備されていて美しかった。山の上までいったら、ガス欠だ。このマシンは、イーハトーブを走ったままだったんだね。山の上からエンジン止めて下り降り、町の給油所で給油。帰りに、別の方角に向いてみた。



小鹿野町中心部

 椎茸を収穫する(盗んでるともいう)自動車も入っているような道だけど、ここもきちんと整備されていた。要所要所にベンチがあったりする。このあたりは山登りのメッカだから、山歩きをする人たちへの配慮は手慣れたものなのかなと思いつつ、今日のところはこのへんでかんべんしてやる。
 この町でぼくがなにをするのか、実はぼく自身もよくわかっていないので、あんまり急がないで、これからゆっくり考える。
 山の上からは、山が見えた。武甲山から両神山まで。小賀野の町は、けっこう立派な町でした。
 帰ったら、スペインのペップからSKYPEでメッセージが届く。
「えらい山奥に引っ越したそうじゃないの」
「そうよ。家からオートバイで走りはじめたらすぐ山だよ。アンドラの、セント・ジュリアの町みたいなもんだ」
「そりゃいいねー。でも日本のその町にはハモンもおいしいワインもなかろうに」
「かまうもんか。おいしい酒があるし、それにぴりっときいたワサビもあるぞ」



両神山方面

 ペップは日本に来たとき寿司屋につれて行かれて、ワサビでしこたま涙をながして苦い経験をお持ちだ。もちろん、犯人はぼくらだけど。
「ひぇー、ではおいしい日本酒とワサビをとんとご賞味あれ」
 ペップは、そんな山の中にいたら、あんた、さぞトライアルがうまくなるだろうと言ってたけど、そういう目的ではないからね。ま、うまくなるに越したことはないけど。
 今日は、スペインのペップさんのリクエストにお答えして、日記を書いてみました。
Hi Pep! There are my new field!
(最近は、敵も翻訳にかけて読んでたりするから、日本語で悪口をかいてもわかっちゃったりするみたい。気をつけよう)