大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

小川友幸、大逆転勝利

1008北海道の小川友幸

2連勝を決めた小川友幸

 8月1日上川郡わっさむ。昨年に続き、再び雨の北海道となった。会場は例年同様旭川からほど近いわっさむサーキット。ここの土は濡れるととんでもなく滑る。雨は降ったり止んだりだったが、ときおり激しく降りもしたし、前の晩にもけっこう降っていたから、コンディションは終始厳しかった。
 国際A級スーパークラス優勝は、最後の最後で大逆転劇があり、小川友幸が勝利した。国際A級は田中裕人、国際B級は樋上真司がそれぞれ勝利している。


 土曜日と月曜日はいいお天気だったから、狙われたような悪天候だった。しかしライダーからは、走りごたえがあっておもしろかったという声も聞かれた。セクションは、おおむね例年通りだが、一部岩や構造物の配置が替えられ、またコース順が変わったことで、少し新鮮な印象が演出できていた。
 今年は、各大会ごとに実験的試みが付加されていて、今回は通常の2ラップを終えた後、国際A級スーパークラスに限って、2セクションのスペシャルステージがおこなわれた。スペシャルステージは関東や中部大会のように特別に用意されるものではなく、9セクションと10セクションがそのまま使用された。
 第4セクションが直前の大雨のために水没してキャンセルとなったことで、国際A級と国際B級は9セクション2ラップの短期決戦となった。去年まで30セクションあったのが一気に半分近くなってしまった。雨の中を走る側、そして観戦する側としても、セクション数が少ないという実感はなかったが、各クラスとも接戦が多かったのは、3点で抜けた者勝ちという設定の他、セクション数の少なさの影響もあったように思う。
【国際A級スーパークラス】

1008北海道の野崎史高

土壇場で3位に落ち着いた野崎史高

 トップ3人による大接戦が演じられた。序盤は小川友幸がリード。しかしトライした全員がエアクリーナーに水を入れてしまうという第5セクション、黒山健一のみが3点で抜けたところで試合の流れがわずかに変わった。続く第6セクションで小川が5点となったことで、野崎史高がトップに立った。野崎は第5をエスケープして5点をもらっていたが、第6までのトータルは7点。黒山と小川が10点で並んでいる。その後、8セクション、9セクションで野崎、小川が5点となり、黒山が3点。この2セクションで、黒山がトップに出た。1ラップを終えて、黒山が18点、野崎が19点と1点差。さらに小川が野崎に2点差で続くという大接戦だ。
 接戦だが、ここでクリーンして抜き出れば次で5点になりまた振り出しにという展開で、順位は変わらないまま、黒山が2ラップを終えたところまでトップを守り、試合もそのまま決着を見るかに思われた。しかし、クライマックスはスペシャルステージの最終セクションに待っていた。
 スペシャルステージを前に、黒山の減点は36点。野崎が39点でこれに続き、1点差で小川友幸の40点。第9セクションは黒山が一度だけ3点で抜けたものの、他は全員が5点となっていた。10セクションは、黒山、野崎、渋谷勲がクリーンを出している他、小川友幸が1点、小川毅士が3点で抜けている。主催者は、2ラップを終えたところで、9セクションのゲート位置を広げてきた。ほぼ全員が5点の2ラップのスコアを鑑みてのことだった。しかし学習能力の高いトップライダーのこと、小川毅士、渋、野崎、小川友幸と、続々とクリーン。しかし黒山健一が2点。まさかの失点だったが、これでトップ3はきれいに1点差ずつで並ぶことになった。残る最終セクションは、トップ3はここまで1点以上とっていない。しかし三者の点差は最大で2点。なにかが起きるかもしれないし、けれどこのまま試合が終わるかもしれない。
 最近、めきめきと勢いをつけている柴田暁が3点、渋谷がクリーンして、野崎がトライ。野崎がヒューム管を駆け登り足つきなしでアウトしたと思ったその時、オブザーバーは5点の宣告をしていた。ゲートマーカーにあたったという判定だった。吹き飛んでいたマーカーはすでに試合が終了している国際A級のものだったので、野崎は判定に納得できない。しかしマーカーが落ちたことではなく、ゲート不通過での5点ということで、最後の最後で、野崎は5点を加えてしまった。
 小川友幸は、ここまでこのセクションは一度もクリーンできていなかったのだが、最後に見事な走りでクリーンをした。小川にすれば、クリーンしてライバルの失敗を待つ以外に勝利の道はないのだから、これが最善の策だった。野崎が5点になったことで、小川と野崎のポジションは逆転、小川は2位以上が確定した。

1008北海道の黒山健一

残り1セクションまでトップだった黒山健一

 黒山健一がトライ。野崎が5点だから、黒山は小川に対しての2点のアドバンテージを維持すれば勝利できる。中ほどのジャンピングポイントを通過して、最後のポイントに移ろうとしたその時、黒山がバランスを崩して岩から落ちてしまった。オブザーバーは転倒の採点をする。しかし黒山は岩から落ちて足つきのみで建て直したとして、野崎に続いて採点に疑問を表明する。結果、転倒ということで採点は変わらずだった。最後の最後で、黒山は勝利を逃し、我慢のトライを続けた小川友幸が勝利を獲得した。
 実は小川は、黒山との点差を正確に把握しておらず、最終セクションについたときには、勝負が決まったと思っていた。黒山が5点の採点に執拗に食い下がるのを見て、勝負が決まっていなかったのを再確認した。
 ちょっと後味のすっきりしない試合になったが、しかしこれで小川は2連勝。全日本選手権が4戦終わったところで、小川と黒山は2勝ずつ。2位1回3位1回も同じだから、まったく同点ということになった。残り3戦、選手権は振り出しに戻って、勝負が始まる。
 4位は、1ラップに38点と乱調だった渋谷勲。マシンのコンディションも思わしくなく、それが5セクションの水没で致命的になってしまった。2ラップ目に少し復調したものの、今回は優勝争いにはほど遠い渋谷だった。
 5位は、これまた2ラップ目に40点と大乱調だった小川毅士。1ラップ目の4位から5位に滑り落ちてのゴールとなった。
 6位は柴田暁。今年、ぐんぐん勢いを増している柴田は、今回も田中善弘を上回ってこのポジションを得た。難セクションを走破できて、満足もしているようだ。同時に、走破できるはずの第1第2をすべて5点になるなど、くやしさもひとしお。まだまだ、柴田の目標は高いところにある。

1008北海道の渋谷勲
1008北海道の小川毅士
1008北海道の柴田暁
1008北海道の田中善弘
1008北海道の西元良太
1008北海道の斎藤晶夫
1008北海道の宮崎航

国際A級スーパークラス。4位渋谷勲、5位小川毅士、6位柴田暁、7位田中善弘、8位西元良太、9位斎藤晶夫、10位宮崎航
●国際A級スーパー(ポイント獲得10名)
Pos. No. ライダー セクション減点 ラップ タイム
マシン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 総減点
クラブ スペシャルステージ 9 10 クリーン数
1 2 小川 友幸 0 0 0 5 5 0 5 5 1 21
HRC RTL260F 0 0 0 3 0 5 5 5 1 19 40
HRCクラブMITANI 0 0 0 10
2 1 黒山 健一 0 5 2 3 0 1 3 3 1 18
YamahaTYS250F 0 2 1 3 5 0 2 5 0 18 43
team黒山レーシング・ヤマハ 2 5 7 5
3

3 野崎 史高 0 1 0 5 1 1 5 5 1 19
YamahaTYS250F 0 0 5 3 2 0 5 5 0 20 44
YSP京葉レーシング 0 5 5 7
4

5 渋谷 勲 5 0 5 5 5 1 5 5 5 36
HondaRTL260F 0 5 5 5 3 0 5 5 0 28 64
HRCクラブぱわあくらふと 0 0 0 6
5

4 小川 毅士 0 1 1 5 5 1 5 5 5 28
BETA EVO 2T 2 5 5 5 5 5 5 5 3 40 73
WISE BETA Racig 0 5 5 2
6

8 柴田 暁 5 5 1 5 3 1 5 5 5 35
HondaRTL260F 5 5 1 5 3 1 5 5 5 5 78
HRCクラブMITANI 5 3 8 0
7

6 田中 善弘 1 1 5 5 5 3 5 5 5 35
BETA-EVO 0 5 5 5 5 5 5 5 5 40 85
WISE BETA RACING 5 5 10 1
8

10 西元 良太 2 3 5 5 5 1 5 5 5 36
Scorpa SY250R 5 5 5 5 5 3 5 5 5 43 89
YSP京葉レーシング 5 5 10 0
9

9 斎藤 晶夫 5 5 5 5 5 5 5 5 5 45
HONDA RTL260F 3 5 5 5 5 3 5 5 3 39 94
HRCクラブ MITANI 5 5 10 0
10

15 宮崎 航 5 5 5 5 5 2 5 5 5 42
BETA EVO 2T 5 5 5 5 5 5 5 5 5 45 97
WISE BETA Racig 5 5 10 0
11

14 野本 佳章 3 3 5 5 5 5 5 5 5 41 7
BETA EVO 2T 5 5 5 5 5 5 5 5 3 43 99
MOTO VIENT 5 5 10 0

今回、現地からUstream中継で現場の様子をお届けしようとして、見事に失敗しました。機材もしょぼいし雨も降ってるし、しおしおのパーです。でも、いくつか画像が記録されていたので、こんなんでよければご覧ください。このうちのいくつかは現地から中継ができていたようなんですが、中継してるよ、という告知ができずだったので、誰も見てくれた人はいないでしょうね。残念でごんす。次、がんばります。
●走りの部
土壇場の最終セクション
第2セクションの柴田暁
第2セクションの宮崎航
第2セクションの斉藤晶夫
渋谷、斉藤晶夫、小川友幸のウォーミングアップ
意味不明のウォーミングアップ
黒山のウォーミングアップ
●終了後のインタビュー
(これも、黒山健一と野崎史高だけ、記録されずでした。残念)
小川友幸
渋谷勲
野本佳章と小川毅士
柴田暁
田中善弘
西元良太
斎藤晶夫
宮崎航
田中裕人
樋上真司

【国際A級】

1008北海道の田中裕人

シーズン2勝目の田中裕人

 18人が参加の国際A級。これまで選手権ポイントは、参加台数によってポイント獲得人数が制限されていたが、今年は15位までの全員にポイントが与えられることになっている。北海道は例年参加者が25人に満たず、15位以内に入ってもポイントを獲得できないライダーが存在していたから、北海道振興策としては効果がありそう。しかし3人の無得点ライダーはちょっとかわいそうな感じもする。
 優勝は、第2戦九州大会からベータに乗り換えた田中裕人。九州大会に続いて、2度目の勝利となった。2勝目を挙げたのは、田中が一番乗りだ。

1008北海道の小野貴史

惜しくも2位の小野貴史。小野はベストクリーン賞

 その田中と、1ラップ目は同点、クリーン数はひとつ田中を上回るという活躍を見せながら、最終的には2点差で2位に甘んじたのが小野貴史。前回近畿大会で13位と惨敗して、らしい走りができなかったが、その挽回はとりあえず果たせたかっこう。小野は田中よりクリーンはひとつ多かったが、5点もふたつ多く、これが敗因となった。

1008北海道の三谷英明

表彰台獲得の三谷英明。ランキングトップ

 3位は三谷英明。田中に4点差で敗れることになったが、ふたりはいっしょに回っていたので、この結果もある程度は読めていたようだ。4戦が終わって、すべての試合で表彰台に上ったのは三谷だけ。開幕戦で勝利してから勝ちには恵まれないが、ランキングトップの座は守っている。
 今シーズンは、ベテラン勢がトップをがっちりキープする試合展開が多い。雨というコンディションの影響もあるのだろうが、ベテラン勢を一気に突き抜けて出る若手の登場が待たれるところ。

1008北海道の小谷徹
1008北海道の岡村将敏
1008北海道の高橋由
1008北海道の砂田真彦
1008北海道の北山将司
1008北海道の波田親男
1008北海道の滝口輝
1008北海道の山本直樹
1008北海道の佐伯竜
1008北海道の三塚政幸
1008北海道の松浦翼
1008北海道の西和陽

国際A級、4位から15位までのポイント獲得者。4位小谷徹、5位岡村将敏、6位高橋由、7位砂田真彦、8位北山将司、9位波田親男、10位滝口輝、11位山本直樹、12位佐伯竜、13位三塚政幸、14位松浦翼、15位西和陽
●国際A級(ポイント獲得15名)
Pos. No. ライダー・マシン セクション減点 ラップ 総減点
クラブ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 クリーン数
1 46 田中 裕人 Beta 0 3 0 5 1 5 1 1 5 21 47
Team Mitani 0 5 3 5 3 5 3 0 2 26 4
2 1 小野 貴史 Honda 0 3 1 5 1 5 5 0 1 21 49
HRCクラブクルーズレーシングチーム 0 5 5 5 5 0 3 5 0 28 5
3 5 三谷 英明 Honda 0 2 1 5 1 3 5 5 5 27 51
HRCクラブMITANI神戸店良いね 0 3 5 5 5 3 2 0 1 24 3
4 16 小谷 徹 Beta 0 5 3 5 5 5 5 2 0 30 59
アズーロ& xc-ting & Beta 0 5 3 5 5 5 3 2 1 29 3
5 7 岡村 将敏 Honda 0 5 5 5 3 5 5 5 5 38 60
HRCクラブ関東TOPDOGS-156 0 5 5 5 2 2 3 0 0 22 4
6 17 高橋 由 Honda 0 1 5 5 5 5 5 5 0 31 61
HRCクラブ荘内 0 3 5 5 5 5 3 3 1 30 3
7 12 砂田 真彦 Honda 0 5 3 5 3 3 5 3 5 32 63
0 5 5 5 3 3 3 5 2 31 2
8 42 北山 将司 Beta 1 3 3 5 3 5 5 5 5 35 63
Team Mitani橋田一家 2 1 2 5 5 5 5 3 0 28 1
9 14 波田 親男 Honda 0 5 5 5 5 3 5 5 0 33 64
HRCクラブトムス&ナミタ 0 5 5 5 2 5 5 3 0 31 3
10 9 滝口 輝 Scorpa 0 5 2 5 5 5 5 2 0 29 65
YSP京葉 0 5 5 5 5 5 5 1 5 36 3
11 25 山本 直樹 Honda 1 5 5 5 2 5 5 5 3 36 70
HRCクラブMITANI 0 5 5 5 3 5 5 5 1 34 1
12 59 佐伯 竜 Beta 1 3 5 5 3 3 5 5 5 35 72
Teamマツムラ 5 5 5 5 3 5 5 3 1 37 0
13 47 三塚 政幸 GasGas 3 5 5 5 5 5 5 5 5 43 75
TEAM S 156 TD 0 5 5 5 3 3 5 3 3 32 1
14 51 松浦 翼 Honda 3 5 5 5 2 5 5 2 5 37 76
Honda緑陽会熊本レーシング 1 3 5 5 5 5 5 5 5 39 0
15 18 西 和陽 GasGas 1 5 3 5 5 5 5 5 0 34 79
ペガサス☆やじろべえ 5 5 5 5 5 5 5 5 5 45 1
●国際A級(9 Section x 2)
Pos. No. Rider Machine T/O Total C
16 27 佐藤 優樹 Honda 79 0
17 30 紺野 賢二 Honda 83 1
18 29 安岡 護 Honda 90 0

【国際B級】

1008北海道の樋上真司

今シーズン2勝目を挙げた樋上真司

 B級がスタートした頃は、まだぎりぎりで雨が降っていなかった。前の晩にかなりしっかり降っていたから、雨が降ったからコンディションが悪化するかどうかは微妙なところだが、降ったり止んだりの天候だったから、トライするペースによってコンディションの変化はあったようだ。
 樋上真司は、早まわりで試合を進めた。B級には難度が高い第1セクションを、ただひとりクリーンすると、1ラップに最多の3個のクリーンを出しながら、スコアも11点と好調を見せつけた。ただ、2ラップ目にミスが増えて、減点も一気に3倍近い30点になってしまった。
 しかし1ラップ目のアドバンテージは大きく、終わってみれば2位の平井賢志に5点差で勝利をものにしていた。樋上は、今シーズン唯一の2勝をあげたライダーとなった。ランキングも、平井と同点ながら2勝したことで暫定ランキングトップとなっている。
 今回の北海道大会では、勝利した3人が、3人とも2勝目を挙げたことになる。

1008北海道の平井賢志
1008北海道の米田悟
1008北海道の金沢
1008北海道の窪谷
1008北海道の杉木
1008北海道の岩田
1008北海道の椎根
1008北海道の木村
1008北海道の山口
1008北海道の大神
1008北海道の福島
1008北海道の磯谷
1008北海道の斉藤
1008北海道の清水

国際B級、2位から15位までのポイント獲得者。2位平井賢志、3位米田悟、4位金沢清志、5位窪谷貴正、6位杉木直志、7位岩田悟、8位椎根広守、9位木村大輔、10位山口晃一、11位大神和輝、12位福島秀敬、13位磯谷玲、14位斉藤隆志、15位清水稔久
●国際B級(9 Section x 2)
Pos. No. Rider Machine T/O Total C
1 2 樋上 真司 Sherco 41 4
2 4 平井 賢志 Honda 46 4
3 5 米田 悟 Beta 48 5
4 20 金沢 清志 Beta 49 3
5 53 窪谷 貴正 Honda 51 1
6 10 杉木 直志 Honda 52 3
7 21 岩田 悟 Honda 58 2
8 1 椎根 弘守 Honda 58 2
9 29 木村 大輔 Scorpa 58 1
10 27 山口 晃一 Honda 61 0
11 48 大神 和輝 Honda 62 2
12 43 福島 秀敬 Scorpa 62 0
13 45 磯谷 玲 Beta 64 0
14 25 斉藤 隆志 Honda 65 0
15 33 清水 稔久 Honda 66 0
16 36 仲田 篤史 Honda 68 2
17 15 鈴木 克敏 Honda 68 0
18 57 荒生 和人 Honda 69 2
19 35 大治 雅也 Sherco 69 0
20 42 福本 悟 GasGas 72 1
21 23 松本 龍二 Scorpa 72 0
22 41 福本 篤 GasGas 73 1
23 40 佐々木 治 Honda 76 0
24 26 長谷山 ちえみ GasGas 77 0
25 78 天瀬 靖 Montesa 77 0
26 28 宮嶋 清次 Honda 78 0
27 44 菅原 祐司 Honda 78 0