
2026年のトライアル・デ・ナシオン(TDN)が間もなくスタートしようとしている。
TDNは、説明する要もないと思うけど、ライダーが各国ごとにチームを組んで勝敗を競う年に1度の世界選手権(とインターナショナル大会)で、現在は男女のGPクラス(世界選手権)とトライアル2(インターナショナル)、男女2名ずつがチームを組むチャレンジクラスの4クラスで構成されている。
日本が参戦するのはインターナショナルクラス。2023年からこのクラスに参戦していて、初年度、2年目に勝利、3年目の2025年は2位となっている。今回は4年目のインターナショナル参戦で、前年の雪辱を晴らす戦いとなる。
代表選手は、各フェデレーションがそれぞれの判断で選出する。日本は世界選手権と全日本選手権の実績によって選出し、参戦を承諾したライダーから代表選手となるシステムとしている。
2026年、日本代表選手に選ばれたのは、廣畑伸哉、黒山陣、武田呼人の3人。廣畑と黒山は世界選手権のシーズンを終えたばかり、武田は全日本のインターバルにTDNへのみ参戦のため渡欧している。

2026年参加者みんなの記念写真(c)Future7Media
かつて、インターナショナル(単語が長いので昔々呼ばれていたようにここからはBクラスと書かせていただきます。世界選手権クラスはAクラス)クラスで優勝したチームは翌年はAクラス、Aクラスで最下位だったチームはBクラスにと入れ替えが行なわれていたが、今はこの制度はなくなって、勝とうが負けようが出場したいクラスに参戦できるようになっている。なので2023年にBクラスデビューウィンを果たした日本は2024年もBクラスに出場できているわけだ。日本のBクラス2連勝は(たぶん)初めてなのだが、それ以前、たとえばドイツはBクラスに連続出場していれば連勝の可能性はあったのに、翌年はAクラスに参戦させられて勝利は1年おきになっていたりしたので、日本の2連勝が必ずしも史上初の快挙とまではいえない背景がある。
今年は再びの勝利を目指す戦いとなるが、昨今、個人戦でトニー・ボウと勝負するライダーが現れず、T2チャンピオンを目指すライダーが多くなっているのと同じように、スペインと勝負をするAクラスより、Bクラスできっちり勝利を目指す戦いに意義を見いだしている国も多い。もちろん日本もそのひとつで、過去、AとBをいったりきたりさせられたドイツもそう(今、ドイツは少し元気がない)。それにアメリカが加わって、昨年は激戦の末に日本が破れたという結果だった。今年はGPライダーであるソンドレ・ハガを擁すノルウェーがBクラスに参戦する。これが強敵だ。ハガはT2チャンピオンだし、ジャランド・グンバルセン、ジョー・サンドビックはT2ポイントランカー。なかなか粒ぞろいのチーム構成となる。
今年の日本チームは、なにより10代、20代の選手が3人揃ったのがエポックになる。ざっと調べてみたところ、日本チームの参加選手が20代以下で揃ったのは2006年(藤波貴久26歳、野崎史高、小川毅士19歳)に3位となったのが最後。2019年にAクラスで2位に入った時は、全員がほぼ40代という、これはこれである意味快挙だったが、世代交代が進まない証明ともなっていた(藤波貴久39歳、黒山健一41歳、小川友幸42歳)。
もうひとつ、TDNは世界選手権という立派な競技会ではあるが、世界を戦うライダーからすると、個人戦が終わった後の忘年会みたいなお祭りでもある。ふだんライバルとして戦ってきた仲間が同じチームとなったり、あるいはいつもの仲間がライバルになり、ライバルが仲間になり、というコントラストも興味深く、はたまたそこに遠い国からやってくる世界選手権ゲストの国々も招いての年に一度のミーティングだ。
なのでまずは、世界選手権をフル参戦するライダーが参戦するのが常道。過去、世界選手権で上位を走っている成田匠をはずして代表チームを構成したとんちんかんな選考があったのも事実だが、去年、今年は廣畑、黒山を軸にチームが構成されて、世界標準のTDN参戦スタイルになりつつある。ヨーロッパフル参戦組にはT3に参戦していた木村倭もいたので、3人ともフル参戦組で構成することもできなくはなかったと思われるが、日本のファンの興味をひくためには、あるいは日本側の全日本から一人メンバーを選ぶのは最善策かもしれない。

悔しい悔しい、2025年のインターナショナルクラスの表彰台。(c)Future7Media
ともあれ、日本チームの3勝目はなるか、強豪ノルウェーとの勝負はどんな展開になるか、TDNはお相撲の優勝が決まった頃に本格的にスタートする。会場はスペイン北部のアルテイショ(Arteixo)。LIVEリザルトを見ながらの応援はトライアルGP.COMへどうぞ!
(写真はtrialgp.comからFuture7Mediaさんのを使わせていただきました)
