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トライアル規則が一部改定

2月5日、MFJのトライアルルールが一部改定された。すでに発表されている2024年MFJルール(自然山記事は「2024年のMFJルール」を参照のこと)の記述が変更されたということだが、条文の書き方が抽象的だったというかイマイチだったので、わかりやすくなった、という趣旨のようだ。人によっては、ルールの変更と理解されるかもしれない。

2月5日現在、本規則は改定されていないままなので、競技規則からダウンロードすると、この変更は(2月5日現在は)反映されていないから注意しなければいけない。ややこしいから、ルール変更の案内を出すと同時に競技規則そのものも変更しておいてくれればいいのだけど、なんとももどかしい。

ルール(の記述)変更は3点。

トライアル規則_改訂のお知らせ0205

そのひとつめ。2022年に変更されて物議をかもした「転倒」の定義についてがまず一点。2021年以前は「ハンドルが地面に接地」を転倒としていたが、崖と地面の境がむずかしい場合などもあって、崖に寄りかかって転倒と判定される場合もあり、ハンドルが接地しても5点にならなくなったのだが、転んでるのに5点にならないことになってしまっていた。2024年ルールではマシン停止状態で足をついたり手をついたりしている状態でハンドルが地形に接地していたら5点というルールになったのだが、この記述が「車両が停止している、かつフォルトの状態でハンドルバーが地形に接地した場合」となっていた。ハンドルバーの接地がまずフォルトなので、ハンドルで木にもたれかかって停止したら5点になる、という解釈をする人が多かったらしい。個人的にはまったくそうは読めなかったので、足や手や頭をつかない状態でハンドルバーだけ地形(それが地面であれ木であれ)に接地した場合は1点だろうと理解する人がごく少数派だと聞かされてびっくりだったのだけど、とりあえずいろんな解釈ができてしまう不完全な条文であるというのはこれで証明されてしまったことになる。ということで、マシンの停止・足つき・ハンドルバーの接地の3点が揃った場合に5点となる、というのが2月5日版の改定だ。これだとだいぶわかりやすいが、足つきと特定されているから、頭で、もしくは手でマシンを支えながらハンドルバーが接地している状態は5点にはならず2点になる、ということだと思う。足とはブーツの先から足のつけねまでを指すそうだけど、ウェアの上から足のつけねを正確に見極めるのもむずかしそうだ。ライダーの体形まで観察しなければいけないとしたら、オブザーバーもたいへんだなぁと同情する次第だが、条文としてはわかりやすくはなった(マシンの停止・ハンドルバーの接地・その他のフォルトの3点で5点になる、みたいな条文じゃいけなかったのかなぁ)。

2点目。エンスト5点の定義だ。エンスト5点とよくいわれるけど、エンストは5点にはならない。マシンが停止している、エンジンが止まっている、それに加えて、足つきなどの行為があった場合に初めて5点となる(この記述は条文ではない)。2024年当初のルールでは「足つき」などに、アンダーガードの接地は含まれていなかったから、いわゆるカメになった状態で(もちろんマシンは止まっていて)エンストした場合は5点にならない解釈だったのだけど、これが元に戻って、タイヤ以外のマシンの一部が地形に接地していた場合、となった。条文では、エンジンプロテクションガードとなっているのだが、電動マシン(EPV)が本格的に出場マシンのまな板に乗ってきた現在、モーターはエンジンではないのではないか、などというよけいな議論が発生してしまいそうなので、こういう紛らわしい条文はなくなってよかったと思う。

3点目。カメは減点の対象とならない、は削除された。削除されたのは条文ではなく判例集(運用解釈のしかたの例)ではあるが、これは前記2点目の項目変更に伴って削除されたものだ。カメの場合、通常は減点とならないけれど、マシンが停止してエンジンが止まっている場合に限って、5点となるわけだ(2023年以前と同様)。