雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

SSDT、その3

3日め、水曜日。
コースのことは、ぼくはよくわかんないんだけど、水曜日あたりは、いよいよ厳しいメニューが用意されていることが多いって話。ジャービスも、この日は7点も減点してしまった。一番減点が少ないのはベン・ヘミングウェイで1点。でもトータルでは、ジャービスは8点でまだトップ。ジャービスを追いかけるのはポンス、コナー、ジェイムス・ランプキン、コリー。1日30セクションを、一桁の減点で回れるライダーが、トップグループを形成する権利を得るようです。
ジョン・シャートは12位まで後退。もうお疲れなんだろうけど、この人はオーバー40のリストにはないから、まだ30歳代なのかなぁ。そんなに若かったかな? ちなみにオーバー40のトップは、カルロス・カサスさんというスペインのアマチュアライダー。でも、すげーうまい。現在39位。スペインなんてところで練習している人は、どう考えてもスコットランドを走るのは向いていなさそうなんだけど、それでもこの成績だから、脱帽。
スコットランドを走るのが向いている、向いていないという点でいえば、杉谷のことをほめるのはしゃくだけど、杉谷はけっこうスコットランド向きの走り方をする。ま、ぴょんぴょんはねずに(はねられないのだとしても)地面をベターっと走り続けるのが、スコットランド走法てな印象です。杉谷はもともとそういう乗り方だけど、何度もスコットランドの取材にでかけているし、SSDT出場経験もずいぶんになるから、そういう経験値も大きい。成田亮や日下は苦労してるんじゃないかな。
その日本人IA勢は、成田が本日37点。トータル141点で79位。まわりには、聞いたことがない地元のライダーがいっぱいいます。日下は本日40点でトータル151点、92位。純粋にライディングテクニックだけを考えたら、彼らにとってはオールクリーンができるセクションだと思うんで、このふたりの争いは、まだまだおもしろいです。
このふたりはニューカマー(新人)なんだけど、成田が14位、日下が16位。ニューカマー賞は、成田匠も野崎史高もとれなかった。これまた、技術だけではとれるもんじゃない、むずかしいものなんだと思う。経験値は何度も出ているうちにあがってくるけど、新人賞は最初の一発で勝負だからね。
もうひとりのIA、進太郎は本日44点。ようやく、成田、日下と同じ土俵に上がってきたという感じです。でもトータルは238点で165位にランクされていますが、すでに失格扱いになっています。来年のために、経験値を積んでください。
その進太郎のすぐ下に、杉谷の名前があった。169位。クロスウェイトとか進太郎とか、失格扱いの人が混ざっているけど、こりゃ、杉谷が100位以内を目指すのはむずかしそう。この日の減点は74点。ちょっと大量減点を食っています。タイムオーバーも9点ある。乗ってないから、そろそろ疲れが出てくるんじゃないかな。「締め切り明けクラス」の優勝を狙って、ぼちぼちがんばってください。
SSDT出場を機に選手権にも本格的に出場して、去年IBに昇格した高橋さんも、本日は17分のタイムオーバーがあり、減点109点、トータル345点で221位。杉谷は3点が多くて減点を増やしてるんだけど、高橋さんは5点が目立つリザルトです。順位的には、周囲は、失格選手が増えてくる位置。踏んばってくださいまし。
猪倉さんと小林由利子さんは、リタイヤされました。リタイヤのリストに載っている。失格扱いでリザルトに乗っているのと、リタイヤの欄に別枠で乗っているのと、規則的にどういうちがいがあるのかわかんないけど、猪倉さんはこの日40分のタイムオーバーで174点。トータルでは582点。由利子さんは98分のタイムオーバー。減点は276点にもなりまして、トータル762点。由利子さんは、減点の多い少ないはともかく、がしがし進む人だから、98分のタイムオーバーってのはすごいなぁ。なんらかのトラブルに見舞われたか。あるいは、もう失格になっちゃったんで、セクションをしっかり下見して走っているという可能性もなくはない。なんとなく、あの人だったらそういうことをしそうな気がする。伴津留代さんは、完走するために申告5点したり難所の丘をエスケープしたりしたけど、由利子さんはそういう点では思いきり不器用で、初出場の年も、すべてのセクションにトライしてほんの何分かの差で1時間を越えてしまって失格になった。たぶん、成績ではない貴重なものを、彼女は吸収しながら走っているにちがいない。
女性陣は、4名が生き残っています。1日め2日目に気がつかなかった女性もいた。トップはイリス。タイムオーバーなしで71点。224点で156位です。でも同じ71点で、マーク・テシエさんってのがいる。この人、シェルコの社長です。世界選手権のパドックでは「あたしゃオートバイなんかには乗れないよーん」なんて感じでぎょろ目をきょろきょろさせて歩いてますが、走らせればこんな感じで走るわけです。世界は広い。
テシエさんをはさんで、その次がイギリスのコンウェイ。減点85点。トータルで228点。こりゃ、イリス・クラマー対マリア・コンウェイの戦いはし烈です。彼女たちの20点下に杉谷がいるけど、たぶん勝負の仲間には入れないだろうなぁ。
もうひとり、知らない女性ライダーがいた。ケテー・サンター。リッチモンドにお住まいらしいイギリス人。ガスガスに乗っていて、現在325点で211位。苦しんでいそうだけど、高橋さんよりは上位にいます。
もうひとり、ビッキー・エイリスというでっかいねーちゃんが走っていた。親子揃ってぴーちくぱーちくうるさい母娘なんだけど、小林由利子初出場のときには、毎日「ユリコは大丈夫か」と聞いてきた。娘はもうどんくさいの極致のへたっぴライダーなんだけど、スコットトライアルにも出場しているという、なんだかよくわかんない人。初日のリザルトでは、彼女は小林由利子よりも上位にいた。ぜんぜんだめって感じじゃないんだけど、2日目からはリザルトからいなくなって、走ってもいないようです。
あと、スコットランドの若手ライダー、ガリー・マクドナルドが、リタイヤしていました。彼は直前に骨折かなんかをして、参加が危ぶまれていたんだけど、たぶんその影響じゃないかと思われます。去年は、マクドナルドが勝ちそうになって、スコットランド人とシェルコ陣営は色めき立ったんだけど、結局ぽんとポンスに勝利を奪われてしまったという結末でした。ポンスもシェルコだから、シェルコ的には問題なかったんだろうけど、スコットランドの人たちには、残念な結果でした。でも今年はもっと残念になっちゃった。
というわけで、さて、現地はどうなってますやら。