雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

金曜日のSSDT

さぁさ、金曜日、5日目です。
金曜日は、フォートウィリアムスから突き出た半島を1周するコース。コランフェリーっていう、ノルマンディ上陸作戦みたいなボートに乗って参加者が移動するのを写真や映像で見たことはないでしょうか。あれがこのコースです。そういえば、確か去年、秋山さんはこのフェリーに乗らないでまっすぐいっちゃったなんてことがありました。
この日はライダーからは休息日なんて呼ばれていて、いやまぁ、そんなに楽ちんであるわけがないんだけど、それまでが地獄だったから、地獄度合が少しゆるむと、こりゃ天国だと思ってしまうのでしょうね。
トップはジャービス。本日2点でトータル8点。こりゃもう、よっぽどのことがないと、ジャービスの勝利は揺るぎないって感じです。ジャービスを追うコナーはこの日5点ですが、トータルでは24点になっています。ジャービスが5日間で8点ってことは、1日平均2点にならないんだからびっくり。
あれ? ジャービスの点数、きのうは11点だったけど、ということは5点減ってしまいました。こういうこと、ままあるものです。99年に、ビルバオとタレスがはじめて出場したとき、タレスの減点がある日減っていて、ビルバオが「おかしいよなー、まったくもう」とぶーたれていたのを思い出した。リザルトをたぐって想像してみるには、ジャービスには3日目に5点が一つあります。これがクリーンだっていう抗議が通ったんでしょうか。
ここでSSDTの採点について。SSDTではライダーは採点カードを持っていません。オブザーバーがノートを持っていて、到着した順にライダーのゼッケンと点数を記載していきます。ジャービスがクリーンしていったら、253・0と書く。その次にポンスがやってきて1点だったら、259・1と書く。来た順番に書いているのは、もしもオブザーバーが番号を書くまちがえたりした場合、誰とまちがえたのか、その前後のセクションと照合することによって、ちゃんと判明することが多いからです。99年にニシマキがオブザーバーのお手伝いをしたときも、1日が終わったら(ひとつのオブザーバーグループで、ひとつの“ヒル”を担当する)ノートを照らし合わせて「この人のゼッケンが2だったか7だったか自信がないんだけど、何番かな?」なんてことをやってました。
でジャービス。まず「おれはバックなんかしていないぞ。5点じゃない、クリーンだ」と言い張った可能性はないじゃないけど、そういうきな臭い想像をするより、すなおにオブザーバーがまちがえていて、それをジャービスが修正要求をして、次の次の日になって訂正されたということにしておきましょう。でもこれで、ジャービスの勝利が確定的になってしまった。
コナーに続いては、ジェイムス・ランプキン。コナーに3点差です。ジェイムスの4点後ろにコリー、その1点後ろにパスケット。コリーは引退しちゃったけど、ジェイムスとパスケットは、そろって日本にも来るわけだけど、かたやマインダーでかたやライダー。パスケットがだらしないとは思わないけど、ジェイムスはすごい。
そうそう、今まで知らないふりをしていたけど、16位あたりに、H・ランプキンというのがいます。これ、ハリー・ランプキン。ドギーの弟でした。ハリーはトライアルにはとんと興味なしということにされていたけど、それでもこんなところを走っちゃうわけです。
さて日本のみなさんの様子。日下達也が77位くらい。4分のタイムオーバーをくらっていますが、まずまずといったところでしょうか。
あれ? 亮はどうしたのかな? おっと、100位のちょっと手前まで後退している。どうしたと思えば50点がひとつある。50点ってのは、セクション見落としです。3つも4つも続けてみ落としていたとしたら、ヒルをひとつまるごと見落としていたことになるんだけど、この場合は1セクションだけ。たとえば4つあるセクションを、3つまでやって、最後の4つめを知らん顔して先にいってしまったというパターンです。そのヒルにはいくつのセクションがあるかというのは、各自持っているルーとカードに明記されているから、それを確認しながら走ればこんなことはないんだけど、なかなかそううまくはいきません。
なんともったいないことを、と思いますが、たぶんけっこうお疲れ状態で、つい見落としたということもあるだろう。なんにしても、この50点は痛かったなぁ。日下との差、30点弱。
セクションの見落としが50点ってのはなんとも厳しいと思うと思いますが、SSDTは、そもそもコースありき。セクションはあとからついてきたものだと思えば、セクションの見落としは、ミスコースに相当するわけで、これくらいの減点も当然だべぇと、エジンバラのおじいさんたちは考えるのでしょう。
亮のすぐ下、130位前後にマリア・コンウェイがいます。女性陣ではぶっちぎりになってきた。これに40点くらい遅れて、森進太郎。初日にどたばたがあって以降は、わりと快調に走り続けているようです。快調といっても、誰もがひぃひぃ言ってる地獄ですから、進太郎の軽口が、スコットランドでも出ているかどうかはあやしいです。ひょっとして、日本語しゃべる相手がいなかったりして?
進太郎から10点くらい遅れて、イリス・クラマー。5点があったりクリーンがあったりしながら、タイムオーバーもなく、立派なSSDT中堅ライダー。
そのイリスから順位にするとたった6番遅れるだけだけど、点数にして40点近い差をつけられているのが杉谷。締め切り明け、ぼろぼろの状態ででかけていったわりには、がんばっているといえるでしょう。それでも、ノルウェーのトップ・レディース、リンダ・マイヤーには40点ほどの差をつけています。
えーと、世界のトップレディースが杉谷とどっこいの成績でSSDTを回っているからといって、世界のトップレディースのレベルは杉谷レベルという比較をすると、たぶんまちがいだと思う。SSDTは、あくまでSSDTです。しつこいわりには、たぶんなにを言ってるかわかんないと思うけど、正しくは走ってみないとわかんないので、ぼくにはこれ以上説明する権利がないのでした。
高橋さんは593点。本日も93点の減点を加えたけど、タイムオーバーもなく、走ってます。高橋さんの下には、失格印のライダーがぞろぞろいて、完走最下位からはへたすると10番位じゃないかな。
小林由利子さんは、さすがに本日は走っていない模様。なにがあったか、帰ってからじっくり聞いてみたいもんですねぇ。
シェルコのテシエさんも、本日の後半から50点がずらりと並んで見事失格です。ケガでもしてなきゃいいけども。
というわけで、あした土曜日は最終日。残念ながらニシマキは全日本の新潟大会にでかけているので、この日記が書けるのは日曜日になんちゃうと思うけど、あと1日、みんながんばってくださいまし。