アルプスの山の麓の5日間、いろいろ評価のしかたはあるけど、まずは、これはたいへんにすてきなトライアルだ。いやー、いい思いをしてしまった。
杉谷以外は、みんなベルドン素人だったから、走り方をつかむのに、2〜3日を使ってしまった感じ。成績を出そうと意気込んでくるとこのロスは大きいけど、結局そんなことはどうでもよくなって、いやー、楽しかったなぁという感じです。
セクションのレベルは3つ。赤は野崎史高とかブルーノ・カモッジとか、そういう選手に準じるうまい人たち。青は杉谷のクラス。日本でいえば、IB以上って感じ。で緑はそれ以下。杉谷以外はみんな緑だ。
緑のセクションは、じっくり下見して、ついでに何回か練習させてくれれば、ぼくらがオールクリーンするのも夢じゃないというレベル(この点は、木澤さんと意見が一致しました)。でも現実には3点ばっかりで、それどころかしょーもないクリーンセクションでも足が出てしまっている(この点も、木澤さんとニシマキは仲良し)。
トライアルは、セクションだけではない、コースの走破とタイムキーピングをしてはじめて成立するのだというのを、思い知った今回でした。
あー、それにしても、鋭角にのぼっていくつづら折れ、前輪が突き刺さるつづらの下り、コーステープを見失う草原、天まで登っていきそうなゲレンデの坂道、うへっと思うような直滑降。毎日毎日、いろんなところを走らせていただいた。昼飯も、とってもおいしかった。オブザーバーのおじさんやおばさんやおねーさんも、ときどきおっかないのがいたけど、ぼくらポンニチにはとっても親切だった。
自分のゼッケンも、フランス語で言えるようになったし、フランス人だのイタリア人と、ラインやギヤの選択の相談をできるようになった。セクション待ちの騒然たる割り込み劇も、こんなもんだと割り切れるようになった。
木澤さんと「ヨーロッパのトライアルの走り方って、こんなんだね」と会得し合った気がしたのは、ようやく4日目のことだった。日本のトライアルとヨーロッパのトライアルは、やっぱりぜんぜんちがうものだってのが木澤さんの感想であり、ぼくの確認でもあった。
せっかく少しやり方がわかったから、またこれに参加して、今度はもう少しちゃんとトライアル・ゲームに参加したいなというところでした。