雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

ラリージャパンに見る告知活動

ラリージャパン表紙

 単車で遊ブログ『RALLY JAPAN2004報道記録集』についての記事があって、おもしろそうなので買ってみました。
 『RALLY JAPAN2004』は、日程が合わなくて行けなかったのだけど(あうわけがない。ぼくはその頃、藤波のチャンピオン獲得劇を観ている最中だ)、正直なところ、ラリーは一度も観たことないし、モータースポーツ好きとして、ふつうに好きという程度の思い入れです。
 だもんで、特にこのラリーの記録を手元に置いておきたいということもないんですが、この記録集がほしかったのは他に理由あり。
 イベントそのものだけじゃなくて、ラリージャパンを日本に呼ぶことになった、発端の頃からの記事がまとめられているというので、ぜひイベントの流れを見てみたいと思ったのでした。
 十勝毎日新聞社は、このラリーの主催者のひとつでもあり、イベントの告知報道に一生懸命なのは当然といえば当然なんだけど、さすがに一般地方紙だけあって、記事のバランスがとてもよくとれている。モータースポーツのラリーの魅力を伝えるのももちろんだけど、経済効果や待ち望んでいる人の声など、さまざまな視点で、このイベントのことを報じている。


 帯広のカレー屋さんが特別メニューを作ったとか氷まつりの会場でラリーのテレビゲームがこどもに大人気だったとか、どっちかというとどうでもいいじゃないかという情報もちゃんと記事として扱われていて、すごいなぁ、えらいなぁと感心しました。
 昔々、トライアルジャーナルができた頃、その創刊スタッフたちは「出版が東京だけでおこなわれている時代は終わった」と鼻息が荒かった。確かに、東京での出版活動(ぼくも、その中にいたんだけど)は視点が平面的になって、売れるものにしか反応しなかったりする。売れるものというのはみんなが向いている方向の先にあるものだから、ネタ集めもみんなといっしょにやればいい。取材なんかしないで、記者クラブに入っていればよいという悪循環(二輪モータースポーツ界には特に記者会なんかないけどね)。最近、既存の大手メディアが「お金のためだけで動くのはいかがなものか」なんてお行儀のいいことをいっているけど、おまえに言われたくないよなぁという思いの人も多いんじゃないかと思う。
 すいません。話がそれた。十勝毎日さん。地方紙ならではの、ほしい記事、読みたい記事が並んでいて、好感が持てます。

町おこしページ

 このアーカイブからは、主催者やラリー関係者だけじゃなくて、十勝の人たちみんなが、ラリージャパンを楽しみにしている様子が感じられます。もしかしたら、十勝毎日新聞がやらせで記事を作って、みんながイベントを楽しみにしているように作っているのかもしれないけど、それでも事務局の人のインタビューが出てきたり、地元の有志がオフィシャルスタッフに名乗り出たという記事があったり、あるいはスタッフボランティア募集という記事もあり、単なる提灯記事(またの名をよいしょ記事)ではないという雰囲気がそこここにあふれているのでした。
 ちょっとうらやましいなぁと思いながら、いろいろ参考にして、できるところからやっていかないといけないと思います。藤波が世界タイトルを取ったときの新聞記事を、MFJがサンプリングをしていたけど、ほとんどが「チャンピオンをとった」という事後報告でした。十勝毎日新聞の例でいえば、イベント当日のことは全体の1割ちょっとでしかないんですね。いかに告知活動が大事かということです。
 ということで、全国のトライアル大会主催者のみなさん(草大会も地方選手権も全日本選手権も、世界選手権もだよ〜)、もっとどんどん告知をしようじゃありませんか。
 と、こういうことを書いていて思い出しました。ちょっと前に全日本第1戦のポスターが届いていたので、ご紹介しました。これ、走っているのは、2000年の藤波貴久でした。
 実はこのポスター(B5判のちっちゃなの)は、自然山通信に掲載してねと送られてきたものではなくて、草大会などを開催する主催者クラブ自然山倶楽部に宛てての「前売りチケット買ってくださいね」という案内でした。ちゃんと告知活動もしてほしいところだけど、告知活動が苦手という体質は、なかなか変われないんだろうなぁと思います。自分のことを考えても、なかなか体質の改善はむずかしいしね。もちろん、ぼくらのネタ探しの怠慢でもあるわけです。
 こういう体質を変えるには、ほりえもんみたいな造反勢力を受け入れて、どっかんと大改造するしかないんだろうけど、さてどーなるかな。テレビでインタビューを拝見する限り、フジテレビの会長さんは、最初は敵対心まるだしだったけど、最近は温厚にしゃべってますね。こういうふうにしゃべったほうがメディアや世間の共感をとりますよと、誰かにアドバイスされたんじゃないかとそーぞーしてます。
 メディア戦略といえば、最近世界に羽ばたいている若いアスリートたちって、みんな外国語を自由に扱いますね。けっして流ちょうにしゃべるとはいわないけど、スノーボードの成田夢露も臆することなくぺらぺらしゃべってたし、ゴルフの宮里藍もちゃんとしゃべりますね。
 世界挑戦をするのにことばを勉強しなきゃいけないということはないと思うけど、平気な顔をしてぺらぺら外国語をしゃべる若者たちを見るのは、とても心強い思いがします。
 我らが藤波貴久はもちろんだけど、そういえば去年デ・ナシオンに初挑戦した日本レディースの3人は、けっこうふつうに外人たちと接していた。ガイジンとお話ができるようになるのにずいぶん時間を費やしたオヤヂとしては、心強くもちょっとうらやましかったりするのでした。
 例によって、書き始めたときと書き終わったところでは、ぜんぜんちがうことを書いてますね。とほほ。