雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

ベルドン・おまけなど

ベルドンでのいろいろ。備忘録や覚え書きを兼ねて。こういうことを書いておいて次の機会の役に立つこともあるし、ぜんぜん役に立たないこともある。まぁ、いろいろということです。

山の上で、齋藤さんと

ベルドンでは、ガソリンは自分らで用意する。燃料サポートのトラックが2台あって、各々に鉄タンク(ポリタンクはだめ)を載せておく。

ぼくらはマリオを入れて7人だから、20リットルのタンクひとつではちょっと不安(ひとつのタンクで2回の給油をすることもある)。2年前にぼくらが買ったタンクをマリオに預けてあった(というより、処分に困ったのでマリオに押し付けた)ので、マリオはそのタンクと自分の2個のタンクを持ってきて全部で4缶を7人で使った。

でも4日目になって、マリオは自分のマシンを壊してしまって、125Fを借り出した。タンクの燃料は75対1に混合してあるので、4ストロークには使えない(使えないことはないと思うんだが、マリオは使えないといっている)。そしたらマリオは、しゃあしゃあとゼッケン1番のタンクから給油していた。ゼッケン1はコロメだ。
「マシンも借りたから、燃料ももらっちゃう。でもオレが燃料をもらっちゃって、コロメのがなくなっちゃったりしてね」

なんて、マリオは笑っている。

今回は、スコルパにお世話になりっぱなし。スコルパだけは、世界選手権用のトラックがやってきて、みんなの整備をしている。コロメの参戦、ペテランセルのサポートなど、ビッグネームをかかえているのもあるけど、さすがフランスのイベントだけあるって感じ。

マリオは、3日目にフロントブレーキキャリパーがゆるんで転倒、大クラッシュをしたのだけど、そのときに膝をちょっとぶつけていたがっていた。3日目の晩、スコルパと宿がいっしょになって、そしたらベンジャミンが湿布だか塗り薬だかをくれた。マリオはマシンも人間も、すべてスコルパにお世話になっている。ぼくらはエアクリーナーのお掃除だけ、お世話になっている。

1日走っていると、いろんな人に出会う。狭い道を走っていると、後ろから排気音が迫ってくる。うんと速い連中ははるか遠くで激しく空ぶかしをして存在を知らせてくるから、ぼくもよけられるところ(わざわざ止まるまでの必要はないけど、先へ行かせてあげないとお互いに楽しくない)を見つけてやりすごす。若いライダーにはいかにも「くそガキ」風のやつも多いんだけど、そういうときはみんなにっこりメルシーと抜いていく。まぁ、根はそんなに悪いやつじゃないわけだ。きっと。

ひときわ甲高い4ストロークサウンドはコロメだ。コロメには林道で抜かれて、そのあとしばらくいっしょに走った。ベンジャミンとお話しながら走っていたから、ぼくでもついていけるスピードだったんだけど、こういう何気ないスピードで何気ない道を走っても、やっぱり世界チャンピオンはうまいなぁ。当然だけど。

ずぶとい排気音で道を譲ったら、バイルだった。狭いシングルトラックの山道だったんだけど、道を譲られたバイルは、ぼくを抜きざま、100mほどウイリーしたまま走っていった。山道だから、多少うねうねしている。さすが世界選手権モトクロス全クラス制覇でスーパークロスのタイトルまで取っちゃった男の走りはちがうなぁ。

ジャン・ミシェルには、表彰式で名刺をちょうだいした。長らく会っていない佐藤敏光によろしくってことでした。

そうそう、表彰式といえば、ニシマキ2回目の参加にして、はじめて表彰式に出会うことができた。ゴールの町ではスタジアムトライアルがおこなわれたあと、あっという間に参加者がいなくなってしまった。これは2年前と同じ。なんだぁ、みんな淡泊なんだなぁと思っていたんだけど、その後、斉藤さんと下の町に置いたままになっているクルマをとりにいくと、途中の町(昼飯を食べたところ)に参加者の車が大量に止まっている。どうしたのかなぁと思ったら「おまえらも早く来い」ということで、ちょっと様子を見にいったら表彰式だった。そうかぁ。こういうふうに表彰式はおこなわれているのか。

下のクラスの表彰から始まって、最後にコロメが表彰台の中央で手を振っていたと思ったら、5日間、なにかと「ニッポンのお友だちがやってきましたよー」とアナウンスしてくれたおっさんが「ほれ、おまえらも台上に登りなさい」と言うではないか。まいったなぁと思いつつ、斉藤さんとふたりで台に登って、地元のメダル(別になにかを表彰されたわけではない)をいただいてきた。

マイクを向けられて、斉藤さんは「またここへきて、今度は表彰台に登ります」と宣言してしまった。ぼくは「次はもっとたくさん日本人を連れてきまーす」とか言っちゃって、みんなにうけちゃったのだった。参加ご希望の方がいらしたら、ニシマキをうそつきにしないためにも、来年いっしょに行きましょう。

写真は、山の頂上の絶景ポイントで、たぶんイタリア側に向かって、フランスのおっさんに撮ってもらった斉藤さんとニシマキ。こんな素晴らしいところを走らせてもらっちゃって、日本のみなさんには申しわけないなぁと思いつつも、ぜーんぜんそんなこと考えてないみたいに、人間の芯から楽しそうですね、ぼく。実は「ベルドンに来ない人って、ばかだよなーと思っているのです。わはは。

(きのう、パスケットが250Fに乗っているビデオを撮ったと書いちゃったけど、チェックしたらスイッチの押しまちがえで撮れていなかった。あちゃー。黙ってればわかんなかったのに、全国的に失敗を暴露してしまったよ。とほほ)