雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

東北リザルト , 自然山リザルト

2016高田島(廃道)ツーリングトライアル

11月27日、自然山通信福島支局(ニシマキの住む借家)の周囲の一帯で、初めてツーリングトライアルを開催しました。

参加者17名。こじんまりと行いました。もう12月になろうかという季節で、雪が降るんじゃないかとか、ほんとに数日前に雪が降ったじゃないかとか、どうなることやらという事案はやまほどあったのですが、なんとか結果オーライで終了することができました。

今回は、結果的に雪も紅葉もなくなっちゃったツートラとなりましたが、地元の人たちとのふれあいを第一に考えたいツートラとして、この地に人がいる限り、ニシマキがそれなりに生きている限り、続けていければと思っています。

次回は、2017年春に開催を予定しています。記念すべき第1回大会に参加しそびれた人は、2回目によろしくです。

開催日:2016年11月27日
開催場所:福島県双葉郡川内村高田島地区一帯

参加者17人は少ないのですが、地元にご挨拶回りをしていると「何人来るのか」と聞かれます。20人くらいと答えると「そんなに来るのか!」と驚いてくれる方が多かったので、もし第1回から50人も100人もいらっしゃっていただくと、えらいこっちゃとびっくりされてしまったかもしれません。今回は17人でよかったです。負け惜しみじゃありません。

雪が降ったのは開催の週の火曜日。この日にセクションを作ろうと思っていたので、雪原にテープを張るはめになりました。水曜日以降が温かかったので、当日にはすっかり溶けましたが、来年はこんな時期にはもう開催しません。いろいろイベントの都合があってこんなことになっちゃいました。地元からは、農作物をたっぷり振る舞える7月から10月までにやんなさいといわれているし、開催日についてはまだまだ悩みは深そうです。

2016高田島ツートラますさんセクションインは田んぼから。田んぼを走れるトライアル大会は世界でここだけ、と褒めていただきました。まっさん、ありがとう。

コースは約30km。セクションは21個。コースの8割以上が廃道(たぶん)です。セクションは8個ほどを地元のおうちの周辺に作りました。収穫が終わった田んぼとか、取り壊しを決めた倉庫の中とかもセクションとさせていただきました。ほとんどのおうちは、この10年近く仲良くさせていただいている(たいてい、ご馳走になって酔っぱらっているだけですが)おうちで、快く場所をお借りしたばかりか、そんならこっちを使え、あっちも使えと場所を紹介してくれたり、木を切ったり杭を打ったりするのを手伝ってくれたり、はてはユンボが登場してセクションを整えてくれたり、およそおんぶにだっこです。ほんとうにありがとうございました。

2016高田島ツートラ朝のよしみさん朝、見回り隊が立ち寄って、イスのついていない変なバイクにチェックを入れていきました。

スタートとゴール、宴会と昼食の場にお借りした集会所には、お昼とゴールにトライする人工セクションを設置しました。ところが朝のスタートの頃に地元の方が何名か現われて、今見たいとおっしゃる。お客様は神様なので、第1セクション前に練習として人工セクションにトライしていただきました。ご協力、ありがとうございました。

山の中の道は、昔採石をしていた頃の作業道とか炭焼きの木を切りに行く道とか、あるいは通学路だったりとかいろいろ。今では人も通らずクルマも通らず、強いて通るのはイノシシくらいなので、道を見つけて草刈りをして、ときには道の真ん中で育ちつつある幼木を伐採してルートをつなぎました。クルマが走っていた道は、踏み固め度合いが少ない真ん中に木が育ってくるのでした。

2016高田島ツートラ丸太セクションわざわざ切ったのではなく、おうちの裏にかぶさってきた木を伐採したので、そこをお借りして使わせていただきました。

実は地元の約2名ほどは、ぼくらにそそのかされて真壁の全日本やもてぎの世界選手権やホンダのサンクスデイや、近くでやったダンロップのガッチデモとかを見に行ったりしています。なので、セクションを作らせてもらうのも、ゼロから説明する必要はなくて楽なのですが、今度はちがう問題も発生します。彼らが見ているのはトップライダーばかりなので、同じトライアルという競技をするんだけど、走るのは平民ばっかりだから、3mの絶壁を用意されても歯が立たない、座布団に毛が生えたくらいの障害物があるのがちょうどいいのだと解説しなればいけなくなります。こちらのおうちでは「こんなところ走れるわけがないだろう」というおっさんを説得し、こちらのおうちでは「こんな低い山ではばかにするなと言われるでねーか」と心配するおっさんを説得するのがお仕事。小さな村のツートラも、なかなかたいへんです。

2016高田島ツートラ牛とまっさんちのセクションを出て、牛さんの横を通過して次のセクションに向かいます。

そういえば、こんなこともありました。近くを通るからと、とあるおうちにごあいさつに出かけたら、家には誰もいない。家の前の牛舎にクルマが止まっていて、なんとなく人の気配がします。声をかけると、中から「おーい、客人だぞー」と声がするのだけど、そこのおうちの主の声ではありません。不思議がっているとさらに中から「お客人、どこの誰だか存じませぬが、手を貸してもらえませぬか」と声がかかりました。なんだなんだと牛舎の中に入っていくと、牛の妊娠チェックだかをしているところで、なにやら注射を打つ必要があるんだけど、その牛舎が迷路のようになっていて、獣医さんひとりが注射を何本も持って移動するようなしかけにはなってない。トライアルの挨拶にでかけたワタシめは、先生に注射器を渡す獣医さんの手先になったのでありました。トライアル大会の準備もいろいろあって退屈できません。

2016高田島ツートラ沢の純子さん第1セクションをトライする白根純子さん。ガスガス125の最後の雄姿となりました。

準備といえば、セクションを仕上げてくれた下園さんや受付を手伝ってくれた戸祭さん、隣町から通ってくれた渡邉さんや、すっかり地元のじいさんたちと仲良しになっちゃった武藤さんと、少数精鋭でがんばっていただいたのだけど、お休みを作ってはるばる千葉からかけつけてくれて、林道3本、端から端まで草刈り機を振り回して歩き通した白根さんには脱帽です。廃道ツートラとタイトルをつけたのは、草刈りがちょっといいかげんでも許してもらおうという魂胆だったのですが、おかげで、いいかげん度はだいぶ軽減されました。ほんとに感謝でした。しかも準備に走り回ったガスガス125は、肝心の週末にはクランクから音が出はじめ、コースの2/3を走りきったあたりで息の根を止めてしまいました。準備中は本番より紅葉がきれいで気持ちいい日もあって、それはそれだったかもしれないけれど、みなさまの犠牲の上に開催させていただいた高田島ツートラでした。

ちなみに、こわれたガスガスは本部から救出部隊が出向きました。誰それさんちを曲がったところで待っている、と言ってくれればわかりやすい。そのうち、参加者みんながこの家は誰それさんちと覚えてもらえるようになったら素晴らしいなぁと思います。

2016高田島ツートラいちじさんトライアルは、トニー・ボウと高田島ツートラの二極を知る84歳の一司(いちじ)さん。休憩所を開設してくれました。

この地域のおうちにお邪魔すると「休んでいけ」といわれることがあります。よくわからないままに、じゃ一休みするかとお邪魔させていただくと、いつの間にか酒が出てきていて、酔っ払いになっています。そういう文化なのだから仕方がない。今回はそういう目に遭った人はいないようですが、もしかするとそういう目に遭う人も出てくるかもしれない。もちろん、飲酒運転はご法度ですから、その場合も本部から救出部隊が出動する手はずでした。今回は第1回だからみなさんしらふでゴールされましたが、今後はクランクベアリングの寿命以外にも、名誉のリタイヤとなる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、2ヶ所にお休みどころがありました。最初の山は一司さんちですが、第1セクションのすぐ先にあったのが一司さんのお茶屋さん。さすがに第1セクションの先では休むのが早すぎるのではないかと思い、ぐるっと回って第4セクションの横にしたんですが、おかげでコースがちょっと分かりにくくなってしまった。じいさま優先のツートラなので、ごめんなさい。

2016高田島ツートラよしみさんちおイモ休憩中の参加者ご一同さま。春は枝垂れ桜の花見にきてください。

丸太のセクションのおうちでは、おイモもいただきました。実はこのセクションを終わると、次はお昼ご飯なのですが、せっかくのご厚意。みなさん、ばくばく食べていただいて、ありがとうございました。

2016高田島ツートラけんちゃん倉庫酒屋さんの渡辺商店倉庫。これもセクションにしちゃいました。

ぼくらの住む高田島地区、今となってはお店は3軒しかありません。原発事故の前と変わっていないのがせめてもの救いです。3軒のうち、1軒は魚屋さんです。もう2軒は酒屋さんです。酒を飲むには困らない地域なのですが、今回はそのうちの1軒の玄関先にコースを作らせてもらって、お店の裏にセクション作らせてもらいました。そしたら、その横に倉庫があって、聞けば壊すことにしたということです。それならと、倉庫の中を通らせてもらうことにしたのですが、いつの間にやらそこもセクションになりました。

この真っ暗なのはセクションの入口。

2016高田島ツートラけんちゃんセクション壊してしまうという倉庫は、こんなのでした。

倉庫を出るとこんな感じ。このセクションは、今回限定なので、たぶん次回は形がありません。残念なりです。この渡辺商店のあたりはスタートから距離的に最も遠いところで、ルートはこれからつなぎますんで、高田島ツートラのコースはもうちょっと成長する予定であります。

そして、コースは土曜日の宴会で美声を披露してくれたまっさんちへ向かいます。まっさんちには牛もいます。牛のいるおうちは、この地区に8軒あります。うち1軒は乳牛をやってます。7軒は繁殖農家。子どもを育てて、肥育農家に引き渡すお仕事をしています。農家と牛の関係は切っても切れないものがあるのですが、特に原発事故以降は生き物を飼っているといざというときにたいへんだということになって、双葉郡広しといえど、牛を飼っているのはこの地区の8軒だけということになってしまいました。

2016高田島ツートラお昼のセクション人工セクションは、お昼は左から、最終セクションは右からトライしました。

そしてお昼の集会所セクションはこんな感じ。土曜日に設営して、みんなが着替えをしている間に片づけてもらっちゃいました。重機やユニックが登場すると、全日本みたいなセクションも作れてしまう。問題は、全日本みたいなセクションを作ると、誰も走れなくなってしまうということです。

2016高田島ツートラのみんな記念すべき第1回大会にご参加の皆さん。一部、地元の方が混ざっております。

この日は丘にイルミネーションをつけようという作業をしていて、作業の打ち上げに手打ちそばが振る舞われました。で、ぼくらもご相伴にあずかり、ゴールしてから集会所で蕎麦をすすってお開きということになりました。

次の春は、どんなツートラになるかしら? ぼくの言ってることだけではあやしいだろうから、参加した人から話を聞いて、よっしゃとなったらぜひおいでください。

記念すべき伝説の第1回大会にご参加いただいた方、どうもありがとうございました。


お名前
お年
マシン
お住まい
Stage セクション減点 小計





ゲート通過
Stage 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
1 末永 英昭
61
02Mo.Cota315R250
福島県南相馬市
1 0 0 1 1 0 0 1 0 0 0 3 6 -34 15
2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 22
2 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 2
2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 20
2 野地 薫
62
07Mo.Cota4RT250
福島県福島市
1 2 0 1 0 0 0 1 1 0 3 0 8 -23 13
2 2 2 1 2 2 2 2 2 2 1 20
2 0 3 0 2 0 0 0 0 1 0 6
1 2 2 2 2 2 2 1 2 1 17
3 佐々木 治
55
ホンダ TL125
宮城県仙台市
1 2 0 1 4 0 0 4 0 0 1 1 13 -21 13
2 2 2 0 2 2 0 2 2 2 2 18
2 0 0 0 0 0 0 0 3 0 1 4
2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 20
4 佐々木 淳子
20♥
15Beta Evo 125
宮城県仙台市
1 0 0 1 3 0 0 4 0 1 3 2 14 -20 12
2 2 2 2 2 2 0 2 2 2 2 20
2 0 0 0 0 0 2 0 3 0 1 6
2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 20
5 鈴木 良彦
62
ScorpaTwenty 250
茨城県日立市
1 0 0 1 3 0 0 4 0 0 2 2 12 -17 12
2 2 1 2 2 2 0 2 2 2 2 19
2 0 2 0 0 0 0 1 4 0 1 8
2 2 2 2 2 2 2 0 2 2 18
6 大月 信和
71
SHERCO ST250
東京都江戸川区
1 3 1 0 1 4 0 0 0 3 3 3 18 9 8
2 2 0 0 0 2 1 2 2 1 1 13
2 0 4 0 1 3 0 3 0 3 4 18
2 0 2 1 2 2 2 1 2 0 14
7 白根 邦広
54
ScorpaTY-S 125
千葉県市川市
1 4 0 3 0 0 0 0 0 3 4 0 14 10 9
0 1 1 0 2 1 1 2 2 0 1 11
2 4 3 0 3 0 3 1 1 3 1 19
1 1 2 1 0 1 2 1 2 1 12
8 竹内 晃
53
96Beta Tecno 250
富山県富山市
1 3 1 3 0 0 3 4 3 3 1 2 23 12 6
2 2 1 1 2 2 0 2 2 1 1 16
2 0 0 0 0 0 0 3 1 2 3 16
0 0 1 0 1 0 1 1 1 2 11
9 佐藤 好則
61
ホンダTLR200
福島県福島市
1 0 2 3 0 4 1 0 0 1 4 0 15 13 11
0 1 1 0 0 1 0 1 0 0 0 4
2 0 0 0 0 0 0 3 1 2 3 9
0 0 1 0 1 0 1 1 1 2 7
10 本多 幸男
61
Be.EVO2T 250
東京都江戸川区
1 3 1 3 1 0 3 2 0 3 3 4 23 14 4
2 2 2 0 2 2 2 2 2 2 0 18
2 0 3 0 3 4 3 4 1 3 3 24
2 2 2 2 0 2 0 1 2 2 15
11 西巻 芙海
20♥
スコルパTY-S 125F
神奈川県川崎市
1 4 0 2 3 1 0 0 0 2 2 0 14 15 12
0 0 0 0 1 0 1 1 0 1 0 4
2 0 0 0 0 3 0 0 0 3 4 10
1 0 1 1 1 0 0 1 0 0 5
12 小川 秀司
59
Honda TLM 50
茨城県桜川市
1 4 0 1 4 0 0 4 1 3 3 3 23 17 5
0 2 1 0 2 2 0 2 2 2 2 15
2 0 4 3 1 1 3 4 0 2 4 22
2 0 2 2 2 2 0 1 2 0 13
13 石井 俊男
67
ScropaTwenty 250
東京都墨田区
1 1 1 3 4 0 1 1 1 2 3 4 21 17 4
2 2 1 0 2 2 2 2 2 2 0 17
2 4 3 0 3 0 4 3 0 4 4 25
0 2 2 2 2 0 2 1 0 0 11
14 鈴木 広幸
58
11She.ST250
東京都日野市
1 4 0 3 1 4 3 0 0 3 3 3 20 22 8
0 1 0 0 0 1 1 1 0 0 0 4
2 2 3 0 0 2 1 0 1 1 3 13
1 1 1 0 1 0 1 1 1 0 7
15 高橋 尚武
51
97Beta Techno 250
富山県富山市
1 3 0 3 1 4 3 0 0 3 3 3 23 22 6
0 1 1 1 0 2 1 2 1 1 0 10
2 0 3 1 4 1 1 0 0 3 4 17
2 1 2 0 0 0 0 1 2 0 8
16 内山 浩志
44
11Ga.Randonne125
東京都足立区
1 3 0 4 1 0 3 0 0 3 4 4 22 23 8
2 2 0 1 2 2 1 2 1 0 0 13
2 0 4 0 4 0 4 1 0 4 4 21
1 0 2 0 2 0 1 1 0 0 7
17 白根 純子
20♥
GasGas TXT2000
千葉県市川市
1 3 1 3 3 1 1 1 1 2 4 4 24 81 4
0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 2
2 0 0 0 0 10 10 10 10 10 10 60
0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1

■かわうち方式とは

各セクションにゲートを置いて(わかりやすいように、各セクション2ヶ所ずつとしています)減点数の他、ゲートの通過数を記録してもらい、集計の際、ゲートの通過数を減点から差し引くというものです。ただし失敗(通常なら5点)の場合は、ゲートの通過数は集計しません。失敗しないように見定めて走っていただくことになります。つまりゲートを二つ通ってバタバタだと差し引き1点。ゲートを二つ通って失敗だと5点になりますが、この差が大きすぎるため、今回より、かわうち方式は5点をやめて、失敗を4点としてみることにしました。各ゲートの難易度はばらばらです。誰でも挑戦したくなるようなものから、こりゃ無理じゃないの? と思われるものまで、一律同じ扱いのゲートなので、下見はしっかりやってくださいということになります。

2016高田島ツートラ表彰
左から、2等賞の野地薫さん、優勝の末永英昭さん、3等賞の佐々木治さん。ダンロップさんからの、表彰台キャップを授与させていただきました。

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