大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

2025Xトライアル第1戦

2024年12月21日
マドリッド(スペイン)

2025年のXトライアルが開幕した。開催は年が明けない12月のうちだが、Xトライアルでは昔からよくあるスケジューリング。ライダーの契約は1月1日を持って切り替わるので、かつてはXトライアルのシーズン中にマシンやチームが切り替わるライダーもいた。今は主催者とライダーとチーム(メーカー)がお話し合いをして、Xトライアルのシーズンインには2025年バージョンで挑めるようになっていることがほとんどだ。

参加は8名。スペイン人5名、フランス、ノルウェー、イギリスが1名ずつ。メーカーはシェルコが3台、モンテッサとガスガスが2台ずつ、ヴェルティゴが1台の計8台。前年のランキング上位は全戦参加が約束されるので、上位を占めるスペイン勢はどうしても数が多くなる。逆に言えば、スペイン国籍のライダーにとってXトライアルは狭き門で、スペイン以外の国のライダーは、特に自国大会では参加の道が開けているといえる。

試合システムは2024年とは異なり、進化形となった。まず8名全員がQ1(予選)を走る。減点数が少ないものが勝ちだが、セクショントライ時間が計測されていて、同点の場合はこのタイムが短いほうが上位となる。そして上位3名はファイナルへ進出、下位5名はQ2(敗者復活)に回る。

Q2は減点数でなく時間換算で勝負が決まる新しい採点システムをとる。1回の足つきで10秒、2回で20秒、3回で30秒、5点扱いだと60秒だ。これに実際のトライにかかった時間が加算される。Q2の勝利者が、唯一ファイナルに混ざることができて、ファイナルは4名での争いとなる。5位以下は、この時点で順位が決定して、この後の出番はない。

4名によるファイナル。これに先がけておこなわれる、4名のトライ順を決めるスーパーポールなる争いは、これもQ2同様に時間で勝負を決める。トップスコアのライダーが最後のトライとなり、スコアの悪いライダーから先にファイナルをトライすることになる。

そしてファイナル。採点はQ1と同じくふつうの減点制。同点の場合はタイムでリザルトの優劣を決めるシステムだ。もしもタイムまで同列だった場合は、タイブレイクで勝敗を決める。

この開幕戦、Q1、そしてスーパーポールでトップスコアをマークしたのはトニー・ボウだった。安定感は抜群だ。Q1の2位はハイメ・ブスト、3位は引退間近いアダム・ラガだった。ラガは地元スペインで引退を飾る予定で、Xトライアルの前半戦に出場する。しかし、ラガの執念深さの面目躍如というか、その実力は健在だ。

Q2でファイナルに勝ち上がったのはブノア・ビンカス。Q1では同点同タイムながらクリーン数でビンカスに勝っていたガブリエル・マルセリは、第3セクションでの1回の足つきが響いて、ファイナル進出はならなかった。Q1で4位以下になった選手にとっては、Q1のスコアよりQ2でトップをとるのが、なにより重要になる試合システムだ。

ボウ、ブスト、ラガ、ビンカスの4名でのファイナル。Q2からファイナルに進出したビンカスとQ1で3位のアダム・ラガは、ともに6セクション中5セクションで5点となり同点。勝敗はタイブレイクに持ち越して、ラガがクリーン、ビンカス5点で、3位はラガのものとなった。

ブストは第2セクションをクリーン。これが大きく勝利に影響を与えることになった。ブスト以外の3名はいずれもここで5点となってしまっていたからだ。ボウはさらに第4でも1点を加えて、開幕戦勝利はブストに奪われることになった。

マルセリ5位、TXT-Eのソンドレ・ハガが6位、T2チャンピオンのイギリス人のジャック・ピースが7位、ヴェルティゴに乗るミケール・ジェラベルトが最下位の8位となった。

Pos.RiderQ1Q2SuperPoleFinalTotal
123456S.T.TimePenal.TotalTimePenal.Total.123456
1ハイメ・ブスト00100561:11.70:001:11.750505520
2トニー・ボウ11100140:33.80:000:33.855515324
3アダム・ラガ051005111:02.50:101:12.555505525
4ブノア・ビンカス301125121:41.00:000:41.01:07.90:501:57.955505525
5ガブリエル・マルセリ151005120:44.70:100:54.7
6ソンドレ・ハガ555105211:09.60:101:19.6
7ジャック・ピース155515221:07.80:301:37.8
8ミケル・ジェラベルト255505221:18.11:102:28.1