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KTMの財政再建について、KTMから

KTMの財政再建について、KTMからリリースが出た。

KTMは昨年秋に財務危機に陥り、再建計画を提出して債権者などの合意を取り付ける最中だったが、このほどその承認がとれた、というリリースが出た。日本版を紹介しておきます。

●再編計画は承認される(債権者に30%を2025年5月23日までに支払う)
●さらに約8億ユーロの新規資本を必要とする
●生産は、2025年3月中旬から再開予定

KTMはピエール・モビリティというオーストリア企業の完全子会社で、ハスクバーナモーターサイクルやGASGASもこの仲間になる。

リリースは事実についてきちんと語られていて、自主管理による再建計画申請以降、世に出回っている後ろ向きなニュースに区切りをつけたい思いがこめられている。

ゴットフリート・ノイマイスターCEO(再建計画に伴い、ステファイ・ピエラCEOは退任)は、3ヶ月間レースが続けられるように全力を尽くしてきた、その結果が出てうれしい旨のコメントを出している。KTMの本分はもはやレースではないと思われるが、KTMのキャッチフレーズはREADY TO RACEだから、2輪産業をレースと称したコメントかもしれない。レース活動については、実際のところ、ちゃんと続けられている。ダカールラリーでも優勝したし、モトGPも参戦が続いている。レース活動を応援するスポンサーは別途存在するということだろう。

今回の発表の一番は、債権者が債権の3割の支払いに合意したことにある。負債は29億ユーロということだから、その7割の20億ユーロ強の支払いが猶予されたことになるのだろうか。もちろん負債が帳消しになったわけではないから、今後業務を改善させて負債を返還していくことになる。

そのための業務資金として8億ユーロを超える資本を用意する必要があって、これは金融事業をおこなうシティグループが出資することになる。そして3月中にフル生産を再開して、業績回復に突き進む予定だ。

トライアル的には、KTM傘下といわれるGASGASがどうなるのかが最大の興味の焦点になるのだが、今回の財政再建の話題にGASGASは登場してこない(同じく傘下にあったMVアグスタについては、持ち株を売却するという話題はあった)。GASGASはピエール・モビリティを親会社とする、KTMとは同族企業になるが、KTMの債務状況とGASGASのそれは直接関係がない、ということだろう。

ハイメ・ブストのXトライアルの活躍や、ソンドレ・ハガが乗るTX-Eなど、GASGASの活動はこれまでと変わらず、順調に進んでいる。同族会社の危機によって有形無形の影響がないとは限らないが(MVアグスタ然り)今のところ、GASGASはGASGAS、ということらしい。頼りがないのは無事の知らせというが、この件についてのGASGASからの報告もほしかった気はするが、事実以外の発信はよけいな詮索を招く恐れもあるし、情報発信もむずかしい。ガスガス本社からは、そういえば最近めっきりプレスリリースも届かないけど、ブストもハガもがんばってるんだから、情報発信してくださいな。