大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

木村倭、初めてのヨーロッパ、世界選手権!

木村倭の世界選手権遠征は、これまでにないものになった。15歳にしての初参戦は、黒山陣がすでにやっている。親子二人で渡欧するスタイルも、すでに先輩たちが選んできたやりかただ。木村がこれまで誰もやったことがないことをやった、というのは、木村がまだ国際B級ライダーであり、それも昇格してわずか半年ということだ。


木村家の大ボスといえば、初代全日本チャンピオンの木村治男さん。天才少年とデビュー時から注目を集め、その後ヤマハのトライアルマシンのほとんどすべての設計・開発を担当し、革新的TY-Eのデビューを見送るまで、ヤマハトライアルを推進したレジェンド。その息子、大輔は治男さんが興したトライアルショップRIDERSの店頭に立ちつつ、国際A級ライダーとして全日本選手権への参戦を続けた。

そしてその息子の倭(やまと)。ある日トライアルを始めると父親のバイクを持ち出して乗り始めたと思ったら、あっという間に上達し、中部選手権で実績を積み上げてトライアルGC大会に出場、見事初参戦初優勝を果たして国際B級への昇格を果たした。


しかし倭くんの目指すところは、もっともっと、もっともっと先にあった。

木村倭、そして大輔のコンビは、いかにしてヨーロッパに旅立ち、そしていかにして戦ったのか。父大輔は、今回のチャレンジを雄弁に語った。15歳のライダー倭は、父親の語りにおまかせしているように見えて、話の流れを静かに見守っている感じ。大人たち(お父さんとおじいさん世代)の会話をすべて透視してる感じもする。

今回、世界に挑戦することになった経緯というのは、どんなところだったのだろう?

FIMの予定は、こんなふうにころころ変わること、もある。なかった大会が突然加わったり、油断できない。

開幕戦のスペインとポルトガルに、倭は参戦していない。それはどうして?

なるほど。半年、1ヶ月でぐんぐん上手くなってる感じがある?

Photo:Pep Segales

トライアル3、10位の目標があったということですけど……。

10位の目標は達成できましたね。

12位という順位自体が悔しい? たとえば自分の走りができなかったという悔しさとかですか?

走ってて、こわいところとかなかったんですか?

目標は10位で、もしうまくいったら、何位くらいに入れる想定で出かけていったんですか?

Photo:Pep Segales

そもそも、ヨーロッパが初めてですね。お父さんも?

長旅の思い出から、なにか出てきそう。

それは時差ボケで?

初めてのヨーロッパはどうでした?

すばらしいです。

なるほど。それは大きく言えば、海外旅行ならではのトラブルだった、でくくれるものでしょうか? それとも緊張していたりして、やらかしてしまった事件だったのでしょうか?

そういう覚悟は、ある程度は行く前に親子で意思統一があったわけですか?

Photo:Pep Segales

それで実際に困らなかったんでしょうか?

そのへん、倭くんはどんなふうに思っていたですか?

結局、なにを食べて暮らしていたんでしょう?

Google翻訳なんてない時代、黒山一郎さんは注文する前にレストランを一周して、おいしそうなのを食べてる人の料理を指さして頼んでいました。

ヨーロッパへ行って、変化はありましたか?

なかなかトライアルの話に行かないけど、こういう話はとってもおもしろいです。それで、バルセロナには何日くらいいたんですか?

食べるあてのない日本食はその遠征にも持っていった?

向こうで食べた、おいしかったものはなんですか?

イタリアのピッツェリアには、ピザのメニューも山ほどありますよね。

二郎くん、すごい

結果オーライ。コースの逆送とかというめんどくさいことにはならずに済んだ?

ルールを的確に把握するのも、けっこうたいへんですね。

成績がなんだかんだっていう以前に、もっともっと絶望的なことが起こったとしてもぜんぜんおかしくはなかったと

Photo:Pep Segales

そうするとT2が何人かスタートしてるか、少なくともT3の一番最後から追いかけていった?

トライアルGPでは、途中何ヶ所かでタイムチェックがありますよね。

木村親子が、ライダーとマインダーのコンビを組んだのは、いつからですか?

なかなか、いろいろおもしろくて、ヨーロッパの試合本番の話にならないけど、そろそろトライアルの話にいきましょうか。2戦走って、目標は10位、できたら6位に入りたかった、ということですけど、現場では、どんな感触、どんな予測があったでしょう?

陣くんはIAS、倭くんはIBですが、同じ練習ができるもんですか?

今、全日本でIASを走れといわれたら、走れますか? 走れますか?

セクションがおっかない、みたいな感覚はない?

そうすると、T3のセクションについては、これは無理だ、むずかしい、どうしたらいいかわからない、みたいなポイントはなかった?

セクション走破時間の1分は厳しかったですか?

Photo:Pep Segales

結果、順位についてはどんなふうに考えて走っていたでしょう?

初めての世界選手権で12位で、数字としては一ケタに入るのも時間の問題、とはみんなが思ったと思います。

順位の確認はしていましたか

その情報はライダーには教えていましたか?

フランスの1日目は、初出場だからスタートもうんと早かったんですよね?

11位になってポジションが一つ上がったぞっていう感じでしたか?

フランス大会コルシカ島からはまっすぐにサンマリノに? 移動はみんなといっしょですか? 二人だけで?

コルシカからのフェリーはどこの町に入るの?

ヨーロッパの地名については、まだ二人ともピンとこない感じ?

シェルコのコンボイはどんなメンバーだったんですか?

滑るところは苦手ですか?

最終戦、イギリスも行くんですよね?

改善点は、イギリスで試せますね

ふだんの練習はどんな設定でやっていますか?

世界のT3を走って、日本でIBを走るのって、物足りないというか、セクションが簡単すぎませんか?

国際B級チャンピオンは、目標とはなっていますか?

イギリスと灰塚の大会がかぶっているから、7戦中2戦を休むことになるんですね。

Photo:Pep Segales

イギリスの攻略方法は研究している? オートバイについては、どんなセッティングパーツを持っていくんですか?

ハンドルもサスペンションも、何も持っていかずですか?

イギリスではどんな大会になるでしょう、どんな大会にしたい?

イギリスはおじいちゃんの治男さんも行くんですね。

おじいちゃん、治男さんは、今回の遠征とか挑戦とか、結果やらについて、何か感想を言ってくれましたか?

5歳のときって、まだ10年前なんですね。10年前はおじいちゃんもヤマハの監督さんできっと忙しかったですね。

倭くんは木村家の血統書つきのサラブレッドだけど、世界選手権初挑戦に悪戦苦闘してきた様子は興味深かったです。まずはイギリス、がんばってください。そして、イギリスの後にでもまた話聞かせてください。