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第7戦和歌山・湯浅の正式結果が出ない件について

全日本選手権第7戦和歌山・湯浅大会。雨の中、表彰式も遅れて始まったが、MFJ YouTubeのSS中継が一時非公開扱いになったり、正式結果がIASだけ月曜日の朝になっても出ていなかったり、不思議に思う人は少なくないと思われるので、知りえた範囲でお伝えしておきます。ただしこれがすべてではないし、もしかしたら理解や解釈がまちがっているかもしれません。

SSの第1で、黒山健一が1点減点。これはみんなが見ていて周知の事実。ところがパンチがクリーンのところにされていた。これが見逃されて(パンチカードは誰もが見るものではないから、見張っているわけにもいかないが)SS第2が始まって競技が終了した。


暫定結果が出て、黒山のSS第1がクリーンになっているのが発覚。これが1点だと武田呼人が3位になるということで、その指摘を行ったところ、黒山が減点したのは事実として確認されたが、規則で「採点カードへのパンチは次のセクションをトライした時点での修正できない。結果はパンチが絶対」ということで、結果の変更はならなかった。

誰もがまちがいを知っているのだから、そんなばかなと思うし、そう思っての抗議となったが、規則は規則で、結果は覆らなかった。ただし火曜日現在まだ正式結果は出ていない。実はこの話には序章があった。

開幕戦で、やはりパンチミスがあった。ミスした人はミスに気がついたけど(たまたまそこにいて目撃しちゃった)、なおしに行こうとしたのを止められて、あとで審査委員会でなおそう、みたいな感じになっていたような気がする。非公式の速報ではそのライダーの減点は5点少ないまま試合が進み、優勝となっていた。しかし試合後に、ライバル陣営から確認が入って結果がひっくり返った。パンチミスは事実として明らかだから、その訂正は公正だったと思われる。

しかし、試合中のパンチミスや採点まちがいは、ままある。それを試合後にひっくり返されては、あれもこれも、誰もこれも、採点について確認したくなるかもしれない。

そんなことがあって、その間にどんな話し合いがもたれたのかはわからないけど、第3戦の時に、オブザーバーの判定に抗議はできない、パンチミスは次のセクションにトライした時点で修正できない、との確認が公式通知として発表された。これはつまり、開幕戦で試合後に結果が変わったのは規則に反していたと認めたことにもなる。

その第3戦で、またパンチミスがあった。おそらく、パンチミスはいろんなライダーが受けているのだと思うのだが、それがたまたまトップライダーで、たまたまオフィシャルスタッフが気がついて、すぐに追いかけてパンチの修正をした。それ自体はおおむね公正だったと思われる(おおむね、というのは、パンチの修正をライダーとオブザーバー以外が申し出られるのか、という問題がある)。これで、全日本でのパンチミスの運用は、ほぼかたまった、と思われた。

そして今回。パンチミスを指摘したのは本人とそのチームではなく、ライバルチームだった。開幕戦と同様の状況だ。開幕戦の時点では、それは公正だと思われたが、その後の通知でパンチミスの修正については徹底されている。その修正法に則れば、今回のパンチミスは修正されるべきではない。

しかしパンチミスはオブザーバーも認めるところだ。まちがいをまちがいのままにするのか、という疑問は当然ある。しかしこの疑問は、今回発覚したことではなく、採点競技の根本的問題で、パンチカードがタブレットになっても、程度の差はあっても抜本的改善をされることはないと思われる。

まちがいなんだからなおせ、という正論と、規則は規則であるという正論との戦い。それがたまたま大きなメーカー同士だから話が大きくなりそうだけど、競技という点ではプライベートライダーの採点でも、同じことだ。そして開幕戦と第3戦で(それぞれ異なる規則運用によって)パンチミスを修正されて不本意な結果となったのは、どちらも同じチームのライダーだった。今度このパンチミスが覆ったら、順位が動く以上に、シーズンのうちに規則の解釈がころころと変わるのはなんだ、という不信感が生まれる。

といういろいろがあって、正式結果が出るのが遅れている。このまま最終戦に突入すると、最終戦が終わってもチャンピオンが決まらない可能性もある。さて、第7戦はどんなふうに決着するのか!?