大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

チャンピオンの横顔<IAS・黒山健一>

 黒山健一は、いつだって強い。2005年の黒山健一は、いつにもまして、強かった。これで6回の全日本チャンピオン、藤波貴久と山本昌也の5回を抜いて、新記録である。しかし2005年の黒山の強さは、これまでの強さとは、一回りちがっていた。黒山にはまったく死角がないまま、シーズンが進んでいった。

2005年シーズン、世界選手権と全日本選手権両方を戦い、6度目の全日本チャンピオンとなったのが、黒山健一。

1996、1997、2002、2003、2004、そして2005年。また1年、黒山のシーズンが刻まれた。

タイトルを獲得するには、ライディングテクニックはもちろん、タイトルを獲得する充分な体制が必要だ。そういう点で、ライバルはみな体制面に少なからずの懸念があった。小川友幸は4ストロークにマシンをスイッチしての初年度だったし(藤波貴久もランプキンも、4ストロークへのスイッチには同じようなストレスを感じていた。でも藤波によると「小川さんはひどすぎる(笑)」とのこと)田中太一はサポートの父親の仕事が忙しくなって、日ごろの練習が満足にできないでいた。渋谷勲は、さらにヨーロッパ進出のテーマがあって、その両立に悩む日々があった。サポートなしでくぃっくなトライを身上とする成田匠が、ときにはこの3人を食う勢い。絶好調の黒山を見なければ、今シーズンのスーパークラスは、なかなか接戦だったのである。

05122812.jpg

黒山は、練習のパートナーとして弟の二郎くんがばっちり構えているし、ベータとのコンビネーションも鉄壁だ。しかし一方、黒山はヨーロッパと日本を往復しながら戦うという大きなハンディがある。ときには時差ボケに悩みながら、それでも勝ち進むべく、黒山は走った。

黒山がタイトルを獲得したのは、シーズンを1戦残した中部大会。この時点で、最終戦は出場しなくてもチャンピオンが決定した。そして全戦優勝を賭けた最終戦で、野崎史高を相手に、シーズンはじめて敗北する。その負け方は、なんとなくすがすがしささえ感じる、黒山だった。

黒山健一は、世界に誇れる日本のチャンピオンだ。

[ミニインタビュー]

2005年シーズン? いつもと同じです。特になにかを変えたこともないし、なにかを意識したというのもありません。そういうふうに見えましたか?

ただ、シーズン中はぼく自身に調子のいいところと悪いところがありましたから、その波を成績に出さないように、おだやかな波にするように心がけていたというのはあります。

正直なところ、みなさんには6回のチャンピオンと言っていただきますけども、その重みというのはあまり感じませんでした。MFJの表彰式でメダルをいただき、パネルもいただきましたけど、いただいた今でも、まだ実感がありません。

チャンピオンはねらってました。チャンピオンは最大にして、絶対の目標でした。全勝優勝は、狙ってはいましたけど、チャンピオンをとりにいくのに比べると、メインの目標ということではなかったです。

最終戦では史くんに負けてしまいましたけども、史くんに負けるならしょうがないというか、本望という面もありました。史くんはいっしょに世界選手権を戦っている仲間でもありますし、そうですね、世界選手権のような厳しいセクションだったら、史くんには負けるわけにはいかないし、負けることもなかったと思いますけど、全日本のセクションレベルだと、史くんにはお手のものですから、いつもみたいに、ぼくがミスをしてもがまんしていると相手もミスをしてくれるという展開は期待できませんでした。だから第1セクションで、ほんの不注意でカードを飛ばしてしまって5点をとった時に、今日は負けたなぁ、勝てないなぁと確信しました。それから29セクション、長かったですよ、最終戦は。

このシーズン、苦しかった戦いというのは、ないですね。暑い大会とかもありましたけど、ヨーロッパはもっと暑いし、体力面でつらかった覚えは、ないです。試合展開的には、勝てないのを覚悟で走らなければいけなかった最終戦が、苦しかったといえば苦しかったといえますけど。

会心の戦いといえば、やっぱり中国大会です。これは今までにないような、満足のいく試合でした。最終戦以外は全部勝ってますから、成績的にはみんなおんなじですけど、内容的には中国大会が断然よかった。思い通りに走れたし、走りだけではなく、作戦的にもばっちりだった。試合をコントロールできたというような実感ですね。実は、ぼく自身の調子は、そんなにいいとはいえない状態だったんですが、試合運びがすべて読めたというか、こちらの読んだとおりに試合が進んでいきました。

こんな完璧な戦いっぷりは、はじめてかもしれません。少なくとも、全日本に参加しはじめて、ベスト3には入る完璧な試合でした。そういう意味で、ぼくは中国大会の勝利が、とってもうれしかったです。

2005年シーズンは、2位以下のみんなが、いつも調子悪くて、ちゃんとした戦いができなかったように思います。まわりにも、こういう状況だから勝ってあたりまえみたいなとらえかたをされて、期待はされるのはうれしいけど、それが正直なところ、ちょっとプレッシャーになって、しんどかった面はありました。

2006年は、全日本、また戦いますよ。勝てるうちに勝っておかないと、藤波貴久が帰ってきて、勝ちまくられたらくやしいですからね。今度は史くんも全日本を走るみたいだから、2005年みたいにはいかないだろうけれども、もちろんチャンピオン目指してがんばります。今度は全勝目指してとはなかなか言いにくいですけど、ずっと勝ち続けてチャンピオンより、勝ったり負けたりしながらタイトルを獲得するほうが、価値があると思ってます。価値あるチャンピオンに向けて、またがんばりますよ。

rank.順 Rider
Machine
Num. 総Point 関東
真壁
九州
矢谷
新潟
中止
近畿
猪名川
中国
HIRO
北海道
わっさむ
中部
キョウセイ
東北
SUGO
順位 順位 順位 順位 順位 順位 順位 順位
得点 小計 得点 小計 得点 小計 得点 小計 得点 小計 得点 小計 得点 小計 得点 小計
1 黒山 健一 1 137 1 1 1 1 1 1 2
Beta 20 20 20 40 40 20 60 20 80 20 100 20 120 17 137
2 田中 太一 3 98 3 2 6 2 4 4 4
GasGas 15 15 17 32 32 10 42 17 59 13 72 13 85 13 98
3 小川 友幸 2 98 6 3 3 3 2 3 5
Honda 10 10 15 25 25 15 40 15 55 17 72 15 87 11 98
4 渋谷 勲 4 97 4 4 2 4 3 5 3
Scorpa 13 13 13 26 26 17 43 13 56 15 71 11 82 15 97