第3回になって、ようやく本腰を入れてQMK環境を作るところに至りました。とほほです。
こういう作業をするとき、Macで使うのは「ターミナル」というアプリケーションです。Macのアプリケーションフォルダの中の、ユーティリティフォルダに入っています。Macはアイコンをダブルクリックすることで仕事ができるシステムですが、ターミナルはアイコンを省いてコンピュータの深部に直接コマンドを送る道具、といえばいいでしょうか。MS-DOSでパソコンを始めた世代なので、コマンドを打つ作業には多少なじみがありますが、MS-DOSとターミナルで使うUNIXコマンドはけっこうちがうので、検索しながら使い進めることになります。
ターミナルは、いわば受付窓口で、やってほしい仕事は、その受付が仕事する部署とつながっているかどうかによります。市役所にはふつう診療所は付属していないので、市役所の窓口で咽が痛いと訴えてもなんやねんと言われてしまいます。人間社会では市役所を出て診療所に行ってやりなおしますが、市役所がコンピュータだとすると、まず診療所をインストールして、市役所と診療所を通路でつなげると、市役所で診療を受けることができるようになります。今回の場合は、まずはXcodeというアプリケーションをインストールします。これはアップル関係のプログラミングツールだと思えばいいと思います。
XcodeにはiPhoneやアップルウォッチのアプリを作るとかの機能もあるんで、なかなかサイズがでかいです。ストレージの容量をけっこう占有しちゃいますが、しかたない。たぶん今回は、その機能のほんの一部を使うのですが、これがないと話が進みません。
実は今回、キーボード遊びをしていたらストレージが足りなくなって仕事が進まなくなったので、いったんXCODEを削除した、ということがありました。そしたら次に使うとき、ただインストールしただけでは作業ができず、XCODEを起動してなんだかんだとセットアップする必要がありました。言われたままにクリックしていただけなので、作業そのものはむずかしくないと思いますが、XCODEについては、そこまでやっておく必要があるのかと思います。
次に出てくるのがBREWというやつです。BREWはアプリケーションソフトなどをダウンロードしてきたり管理したりする道具です。郵便を受け取る前に、まず郵便ポストを玄関先に出しておく、みたいなもんかもしれません。
Brewは、HomeBrewというサイトへ行ってゲットします。
https://brew.sh/ja/
の最初に、インストールのコマンドが提示されているので、これをコピーして(ボタンを押すと自動的にコピーされるようになっています)ターミナルに貼り付けて実行すると、自分のMacのどこかにBREWがインストールされます。このサイトをちゃんと読むと、/opt/homebrewにインストールされると書いてあるんですが、それがどこなのかが最初はわからなかった。MacのFinderは、ややこしいファイルはユーザーに見せないように隠しファイルになっているので、こういうとき悩ましいです。「command」+「shift」+「.」で隠しファイルが表示されるようになるので、それで探してみると、/opt/…..ってのがどういうことなのか、少しわかった気がしました。
HomeBrewをインストールするのに、こういうやり方じゃなくて、Macらしい、インストールファイルをダウンロードして解凍して展開する、というやり方もあります。でもうまくいかなかったのと(なにか手順をまちがえたんだと思う)、どうせターミナルを使って作業するのだから、最初からターミナルでやって、そのやり方になじんだほうがいいんじゃないかなと思いまして、2度目、3度目にHomeBrewをインストールすることになったときも、コマンドを送って実行するようにしました。当初、こっちのHomeBrewとこっちのHomeBrew、なにがちがうのかなと悩んだけどおんなじものだったですね。amazonから買うかヨドバシで買うか、くらいのちがい。ただ、インストールスクリプトにまちがいがあったのはかたっぽだけのような気もするから、そのときもう一つを試していれば、そこまで悩まなくてよかったのかもしれません。
もしマネしてこんなことをやろうと思う人がいたら、上の画面の文字列はコピペしないでくださいね。HomeBrewのトップページから、最新版のコマンド(呪文)を取得するのが正しいです。
HomeBrewをインストールしたのに、ターミナルで実行させるときにはbrewなんとか、とやります。なんでhomebrewじゃないのか、最初は悩んだんだけど、そういうもんだと納得するしかありません。Brewは醸造って意味なんですね。なるほど、酒造り、ビールづくりのキットというわけか。キットを用意しても、うまい酒ができるかどうかは作り手によります。
次のステップであるQMKをインストールするコマンドは
brew install qmk/qmk/qmk
です。
QMKこそがキーボードを自分仕様にする道具なので、ここまではお膳立て。ここからが本番です。いや、お膳が立ってないと、本番でもこけるんですけど。これも、エラーコードが出たりした場合には見逃さないでチェックする必要があります。映画のエンドロールより素早く結果が表示されるので、ついついまぁいいか、とノーチェックで先へ進んでしまいますけど、赤い文字(うちの場合)のエラーが混ざっていたときには気をつけるべしです
そのあと
‘eval $(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)’ >> /Users/<ユーザーネーム>/.zprofile
eval $(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)
なんてことをやれと書いてもあったのだけど、まずこれ、<ユーザーネーム>をそのまま送ってはいけない。ターミナルに
pwd
と送ると「Users/<ユーザーネーム>」と返ってくるから、返ってきたユーザーネームを<ユーザーネーム>のところに入れます。ユーザーネームは使う人それぞれが独自のものを持っているわけですが、こういうのが常識になっているから<ユーザーネーム>じゃなくて、usernameとかhogeとか書いてるご指南書もある。慣れてくれば、そこに正しい名前を入れるのだなとわかるのですけど、ど素人には、けっこうな落とし穴でした。
それでも、このコマンドはうまく動きませんでした。今でも正しい動かし方がわからない。なので、隠しファイルを表示する状態にして/Users/<ユーザーネーム>にある.zprofileという環境設定ファイルを見つけて、ファイルの中身を自分で書き換えちゃうことにしました。Mac純正のテキストエディットでも大丈夫だと思います。中身が
eval “$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)”
となっていれば、そのまんまでいいということにしました。隠しファイルをいじっちゃうの、ちょっとびびるかもしれませんけど、これはBREW限定の設定だから、他に影響することはないはずです。やっちゃえ。
さらに
qmk setup
をしろという指示をしてくれるご指南もありました。なのでこれもやっておきました。なにやらしばらく作業していました。こういう作業途中に、パソコンのパスワードを求められることがあります。起動するときに入力するやつでいいのですけど(他のパソコンのことはわかんないけど、たぶんそれでいいはず)入力中になんの反応もないから、それでいいのかと不安になりますけど、パスワードまちがえなければ、入力後に次のアクションが始まります。作業を続けていいか、YESかNOで答えろ、という場合もあります。Yを押せばいいこともあるし、YESと入力する場合もあります。わけわかんない文言がだだだと流れてきますが、できるだけきちんと読んで対処します。これでQMKを使う準備は整ったんだと思います。
よく見ると、QMKセットアップの最後に問題ありと指摘があります。でも使えるよというのでここは気にせずこのまんまにしておくことにしました。
ここからは、特定のキーボードに特定のキー設定を覚え込ませる作業になります。
git clone –recursive git@github.com:qmk/qmk_firmware.git
GitHubって、ツールを開発している人が、自分の作業環境を公開している場所みたいで、これを参考に自分の作業環境を作ることもできるけど、このコマンドみたいに、環境をまんまコピー(クローンってコマンドがある)することもできるみたいです。
これで、キーボードを自分好みにセットアップする準備が完了(のはず)です。試しにコマンドが通るかどうか試してみろといわれたのですが、試しにどうやっていいのかもわからないので、実験はスルーしてしまいました。でも結果的には、これでうまくいっていました。
<つづく>
1回目:https://www.shizenyama.com/shizenyama/41893/
2回目:https://www.shizenyama.com/shizenyama/41903/