トライアルのルールは、むずかしいです。
ゲートマーカーの連続としてのテープの解釈について、まちがった解釈を書いているぞという指摘をいただいていたのて、その経緯についてご紹介します。ご指摘を受けてからずいぶん時間がかかっちゃいました。ごめんなさい。
ゲートマーカーとゲートマーカーを結んだテープは、ゲートマーカーとしての機能を持つが、触れたりたるませたりした際のペナルティは、ゲートマーカーへのペナルティでなく、テープへのペナルティが適用される、という解釈が正解です(正しくは、写真の掲載ページの条文11-2-3-11をごらんください)。
この件は、2017年の規則書ができた、という報告をした際に書き加えたものでした。その記事はこちら(https://www.shizenyama.com/howtotrial/trialrule/20131)です。
セクションのテープは、切ったりたるませたりしなければ、さわってもいいことになっています。テープに限らず、セクションの構成物である杭とかもそうなんだけど、杭はぶつかると倒れたり曲がったりして、そうなると5点。テープはさわるだけだと微妙に伸びてくれるんで、切れるまでは許される範囲です(めんどくさいことを言うと、それまでにじわじわとたるんでるわけだけど)。
ところが、セクションのクラス分けに使われているゲートマーカーはそういうわけにはいきません。オートバイは、ゲートマーカーとゲートマーカーの間をきっちり通らないといけないので、ゲートマーカーにタイヤが触ったらその瞬間に5点になります。動いたとか動いてないとかという判断ではありません。
めんどくさいのは、同じゲートマーカーでも、タイヤで触ったのではなく、足で触ったりした場合は(それだけでは)減点にはなりません。でも動いたりして、修正が必要になったら5点になります。自分がAクラスだったら、Aクラスのマーカーをタイヤで触ると5点ですが、Bクラスのマーカーは動かさなければ触っても無罪。現実にはマーカーをタイヤでけっ飛ばして修正しないで済むなんてことはまずないと思いますが。
さて、問題はここからでした。セクションの中には、ゲートマーカーとゲートマーカーを、テープでつないでいるところがあります。ふつう、ゲートマーカーはそこを通過してしまえば、あとはどこへ向かって走っていってもいいのですが、ゲートとゲートをテープで結ばれていると、その中から出てはいけません。セクションによっては、そういう設定が必要な場合もあるわけです。これは、2016年の競技規則書では「判例集」という規則の注釈みたいなページに書いてありました。
ある日の全日本選手権で、この判定をめぐってちょっとやりとりがあったことがあって、そのとき「ゲートとゲートを結んだテープはゲートだから触ったら5点である」という理屈をオブザーバーが主張していました。その際はライダーの「他のライダーも触っていた」という主張にオブザーバーの主張がだんだんトーンダウンしてきて無罪となったのですが、後日、判定の根拠が2016年の規則書の判例集にしかないという話になりました。大事な判例なら、判例集ではなくて規則の条文に入ってたほうが、という話はその時にもあって、それで2017年規則書には条文に加えられることになりました。
こんなやり取りをついでに紹介させていただいたのがこちらでしたが、その際“ただし、減点対象となりうる行為は272頁ペナルティ[11-2-3-11を適用する]”の一文をちゃんと見ていなかったのが、この記事の大まちがいです。
ルールはむずかしいから、疑問があったらすべてトライアル委員長に確認しなさい、というご忠告もいただきました。そのとおりであります。たいへんもうしわけない。
ルールについてやりとりをするのはむずかしいから、触れないほうが身のためです、と忠告してくださる方もいらっしゃったけど、人によって、あるいは地域によって、採点の解釈がちょっとちがったりするのではないかという気もするし(あくまでそんな気がするだけですが)、自分たちのやっているスポーツのルールの解釈はみんなできちんと共有したいというのが本来だと思うので、今後もルールについては考え続けていきたいと思います。
でもまちがっちゃいけないです。ごめんなさい。
なお、当該記事はその旨の注釈を入れて、修正しておきます。