大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

野崎史高と磐田ロータリークラブ

不思議なところに連れていってもらったご報告をするのを忘れていた。磐田ロータリークラブの例会ってやつです。

ある日、というか全日本開幕戦が終わってすぐの頃で、なんなら岡崎市から帰ってきたばっかりの時、野崎史高選手から電話かかってきた。野崎選手といえば、マウンテンバイクのオフィシャルをやるってんで、不思議なことをやるんだなぁと思って見に行っちゃった前例があるんだけど、さて今回は「あした、磐田まで来ませんか?」だった。また磐田まで行くですか? と条件反射的に答えてしまったけど、それはぼくもです、と言うもんだから、だんだん行かない理由がなくなってしまった。

行く先は、ロータリークラブの例会だという。なんだろう? 名前は聞いたことがあるけど、その実態はさっぱりわからない。そしてどうも、野崎選手も、あんまりよくわからないままにはせ参じておられるようだった。

と、こんな書き出しをしたら、読んでる皆さんはなにがなんだかさっぱり分かんないだろうから、もう少し詳細をお知らせすると、ロータリークラブの今の会長さんが全日本も走るトライアルライダーだったりして、そんなご縁もあって、磐田ロータリークラブがトライアルライダー野崎史高を呼んで、ちょっと講演をしてもらおうということになったとのこと。


当日は野崎選手のちょっとしたデモもお願いされていて、ワークスマシンを走らせるお許しをいただくべしとなって、当日はチームの監督の佐藤美之さんも参加して、選手と監督の両輪講演となった。磐田市といえばヤマハ発動機だから、佐藤監督の登場は当然というわけですが、隣に自然山通信が座らせてもらうことになったのはちょっと微妙な感じだった。そして会長さんの前職は、スズキ自動車でモトクロスをご担当だったとか。世間は狭いというか、磐田市界隈あるあるなのかもしれない。

さっき書いたけど、失礼なことにぼくも野崎選手も、ロータリークラブとはなんぞや、を知らず、会場入りした。せめて検索すればいいのに、行けばわかるだろうと思ってしまうところは(野崎選手はいっしょにしてもらいたくないだろうけど)仲良し、同じだった。

例会はお昼時で、お食事をとりながら講演を聞くというスタイルだった。どうやら、これがいつものパターンらしい。参加されているメンバーは地元企業の社長さんとかが多く、お昼をとりながら親睦と発展的ななにかを、ということらしい。取材だから会場の片隅にから写真撮って状況を眺めていればよかったんだろうけど、席を用意してもらっちゃって、いっしょにお食事を取りながらのぜいたくな取材となった。


始まる前に「みなさんはゲストなんで合わせなくていいですけど、びっくりしないでくださいね」と言われて、なんのことやらと思ったけど、いざ始まるや、ゴーンと鐘が鳴らされたり、ロータリークラブの唄をみんなで合唱したりする。びっくりしないでくださいね、と念を押されていなかったら、どぎまぎしてしまって、逃げ出した方がいいのかと思ってしまいそうだけど、ロータリークラブとはそういうものらしい。ちょっと検索したら、この組織は世界的なもので、世界中でおおむねこの式次第らしい。

司会の方の開会の挨拶を聞いてまたビックリ。「2663回の例会を始めます」なんてことで、いったいいつからやってるんだろう、例会が年に1回だったらキリストが生まれる以前からやってるのか? なんてありえない計算をしていたら、この例会、週に1回開催されていることがわかった。それでも、週に1回、休みなしにやってるとしたら、2663回は46年以上になる。そしてこれは、磐田市のロータリークラブだから、全国津々浦々のロータリークラブがこういう活動をしているわけだ。

ロータリークラブ独特の儀式にどぎまぎしているうち、講演のお時間かと思いきや、ではお食事の途中ですが、ちょっと外へ出て、野崎選手のデモンストレーションを見に行きましょう、ということになった。お昼の時間に開催される例会だから、あんまり長居できない人もいらっしゃる。さらに聞きたいことがあればあとでゆっくりで、取り急ぎスケジュールを消化すべしだ。


とはいえ、玄関前は駐車場で、いくばくかの平なスペースはあれど、三角トライアングルだのジャンプ台だのがあるわけがない。真っ平らな駐車場で、いかにトライアルを披露できるかが腕の見せ所になる。こういう場面こそ、IASのトップライダーの本領発揮ってところだ。お客さんが限られているから、マイクがなくても話が通るなんてのもアットホームでよろしい。駐車場の外ではふつうにクルマが行き来してるんだけど、スーツ着た妙齢の男女が跳ね回るオートバイを見てびっくりしたりのけ反ったりしている光景は、どんなふうに見えたことだろう? 通りすがりのクルマにもちょっとインタビューしてみたかったところだけど、現場ではそこには気が回りませんでした。すいません。

そして取って返して、佐藤さんや野崎選手がお話をする時間になった。トライアルとはどんなスポーツであるか、カーボンニュートラルとモータースポーツについて、先駆者の苦労話など、地元企業の皆さんには、全部じゃないかもしれないけど、ちょっとずつ刺さるところはあったんじゃないかと思われるんだけど、どうだったろう?


佐藤監督は、皆さん向けにお土産を用意していたのだけど、野崎選手のクリアファイルならぬ、カーボンニュートラルのクリアでないファイル。企業告知活動としては、こういうのが大事なんでしょうね。


ということで、磐田市での不思議体験は無事終了。ちょっと忙しいさなかだったので、新幹線に乗ってまっすぐ帰途につきました。

しばらく、次の野崎選手からの電話はどこへ行かされるのかとドキドキしていたけど、全日本シーズンが本格的に開幕して、楽しくもありちょっと恐怖でもありの電話は、もうかかってこなくなっちゃった(今のところ、ですが)。

電気トライアルバイクとトライアルの組み合わせは、いろんな制約を越えてどこででも技を披露できるから、今後もなんか楽しい動きがあるかもしれない。電話かかってくるのを、びくびくドキドキしながら、待ってまーす。