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小川友幸、2025年の活動休止を発表


2025年7月28日夕刻、小川友幸が自身のYouTubeチャンネルで2025年シーズンのこれからについて語りかけた。8月に入ってすぐ手術を受け、残る今シーズンへの出場は絶望的である、という決断の発表だった。

小川は7月13日、全日本第4戦北海道・和寒大会でクラッシュ、肩を傷めてしまった。その事故状況からその後のこと、そして今回の判断に至るまでを、とつとつと、正直に語っている。

高いブロックから地面に叩き落ちた小川だが、そこには草を積んだクラッシュパッドがあった。そのクラッシュパッドが充分でなかったのかもしれないが、黒山健一や野崎史高も同じくここでは失敗して地面まで落ちているから、小川は不運にも手のつき方が悪かった、ということになるのだろうか。手をついた衝撃で肩が抜ける方向に衝撃を受けた、とレース後に状況を説明してくれていたが、動画を見ると腕全体で着地しているようにも見える。いずれにしても、この着地の最に大きな衝撃を受けたのはまちがいない。


ここで試合の続行を進言する関係者は皆無だったと思うが、小川がそうそう試合を離脱する決断をするライダーではないことは、誰もがわかっていた。最終的には、決断は小川自身が下して、小川の第4戦は続行された。もう少し試合が進んでいれば、深刻5点で残りのセクションを回っても、あるいはいくばくかの成績が残ったかもしれないが、第1セクションをクリーンしただけだから、残り全部が5点では最下位はまぬがれない。1時間ほど遅れて戦列に復帰した小川は、第3セクションで2点、第6セクションで3点をマークして、減点35点、1ラップ目14点。この二つのセクションを抜け出たことも、小川でなければとうていあり得ないことだったろう(ちなみに1ラップ目の第6セクションでは、小川以外の全ライダーがクリーンした)。


YouTubeの中でも語っているが、2ラップ目は痛み止めの効能や大会中のアドレナリンのおかげで少し痛みがまぎれる可能性もあった。そして小川は2ラップ目には4つのクリーンをマークして、減点28の9位となった。8位黒山陣に4点差、10位武井誠也に1点差のスコアだ。しかし2ラップのトータルでは10位の野本佳章に2点差の11位でSS進出を逃す結果となっている。

SSのセクション脇には、三角巾で腕を吊った小川の姿があった。からだのためには、少しでも早い治療が必要だったから、SSは走らなくてよかったし、そもそも負傷後すぐにリタイヤを決めて手当てを受けるべきだったかもしれない。ふつうなら、当然そういう判断をしただろう。しかしそれが小川友幸というライダーの進む道だった。

手術後半年の休養を経て、小川は2026年にカムバックする予定でいる。年齢もあるし、このまま引退しても誰も小川を責めることはないだろうとは思うが、このようなかたちでの引退は小川の目指す姿とはちがう、ということなのだろう。

YouTubeの中で小川は、1997年以来解禁が続いた全日本参戦記録が途絶えるのもちょっと残念と語った。おそらく最多出場記録も、小川が更新し続けていたものだ。小川自身も記録と記憶が定かではないということだったが、すいません、自然山通信でもはっきりしたことがわからない。ただ最多出場記録を持っているとしたら、小川か、あるいは岡村将敏のどちらかだと思われる。以前岡村本人にそれを質したところ、たぶんそうだと思うけどはっきりとは覚えていないということだった。岡村は小川に1年送れて1994年に国際A級に昇格しているが、IASとIAを2度行き来してIAチャンピオンになったりしているので、全日本トップクラスでの連続参戦記録と限定すると、小川が記録保持者となるのはまちがいない。

連続参戦記録については、全セクションを申告5点で回ることで記録交信の可能性もあるかもと語っていた小川だが、ふつうなら1年かかるリハビリを1ヶ月でコース移動ができるまでにするというのはまったく現実的でないし、そういうスタイルで参戦記録を更新するのも、小川のスタイルにはなじまないにちがいない。

さて、第5戦以降を欠場することになる小川のランキングは、おそらく8位前後になるのではないか。2024年、北海道・和寒大会以後の参戦をキャンセルした野崎史高もランキング8位となっている。野崎の獲得ポイントが56ポイントで、小川は現在60ポイントをマークしている。小川にとって、ファンにとって、このあたりのランキングの多少の上下は取るに足らないものになるとは思うが、トップ10には入るのではないだろうか。世界選手権参戦のために全日本はフル参戦ができなかった1995年の小川のランキングが8位(1996年は5位)だから、国際A級に昇格した1993年以来のワーストランキングになるかどうか、というところになっている。

もちろん、そんな記録への興味より、今最も見守りたいのは、小川がしっかり休んで、しっかりフィジカルコンディションを戻して、2026年シーズンに再びその勇姿に出会いたいという、その一点につきる。