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トライアル事始

トライアル入門ガイド

トライアル入門ガイド
若い←→若くない
ケガも恐れず←→こわがり
トライアルは信じられない地形を走破していくスポーツです。信じられないかもしれないけど、不可能なことではありません。その証拠に、お年寄りも女性も子どもも、みんなトライアルをやっています。不可能に思えることが可能になる、信じられないことが現実になっていく楽しさも、トライアルの魅力のひとつです。
トライアルテクニックを身につけるには、地形とマシンの挙動に慣れることと、トライアルならではのテクニックを会得するふたつのコースがあります。トライアルテクニックも、走り慣れることで習得が可能ですが、きちんと習うことで、スムーズにマスターできる人もいます。
まだまだお若くて、少々のケガもいとわないというあなたは、先輩たちの華麗なテクニックを盗んで、ひたすら特訓してください。各々のテクニックについては、中級編以上で解説します。
少々年齢が豊富で、ケガもかんべんたがおっかないのも願い下げという方(ふつうの感覚であると思います)は、この指南書にのっとり、順を追って少しずつ確実に上達していくことをお勧めします。その中間の方は、ご自分の性格や運動神経などと相談のうえ、指南書のコースを飛び飛びに学習するか、それぞれのメニューを駆け足でお進みください。
コラム
現在、市場で手に入る主に外国製のトライアルマシンは、どれもとてもよくできたものです。よい道具で訓練をすれば上達も早くて効率的。トレーニングもよい道具でおこないたいものです。一方、最新マシンは素晴らしくよくできているので、技術がなくてもマシンがいってくれるという事態が、少なからずあります。マシンに連れて行ってもらえるうちに技術が身につけば早いのですが、技術の習得度合いをきっちり見極められるかどうかで、進化のスピードがちがってきます。自己採点より、少し(かなり)辛目に評価してステップアップしていったほうが、結局急がば回れ、のようです。
トライアル入門のアウトライン
トライアルはけっして曲芸ではありません。トライアルの最初は、オフロードライディングの見なおしから始まります。オフロード経験のない人は課題が多いことになります。といっても、たとえオフロード経験が豊富でも、トライアルに即したテクニックの見なおし項目は多岐に渡るので、その差はほとんどないと思ってもいいでしょう。アクセル、クラッチ、ブレーキ。すべての操作で、トライアルのそれは、ふつうのオフロードライディングとはケタちがいに繊細な操作が要求されます。オフロードライディングに自信のある人こそ、念をいれて見なおしをしたほうがいいと思います。
トライアルライディングの特徴
トライアルテクニックはすべてのモーターサイクルライディングの基本。そういう点では、トライアルも他のライディングも同じなのですが、初めてトライアルに触れる方は、トライアルにそれまでのモーターサイクルライディングとは大きくちがう違和感を感じることと思います。大きなポイントはふたつ。
トライアルマシンにはシートがないこと、走るスピードが歩くような低速であること。その次に、走る場所がたいらじゃないことと続きます。
シートがないとどうなるかというと、いろいろな要因がありますが、大きな特徴は自由なライディングフォームが取れることで、その反面、よいフォームを作り、正しい乗車位置をキープするのは、初心者にはなかなかむずかしいと思います。この課題は、初心者を卒業しても、ずっとついて回るテーマでもあります。
スピードが遅いについては、おかげで、スピードがこわくても楽しめる、スピードがない分、転倒時のエネルギーが小さい(といって、安全とは限らないので念のため)などのメリットはありますが、バランスがむずかしいという大きな問題があります。タイヤがふたつしかない二輪車では、スピードを出すことによって安定します。逆にスピードがないに等しいトライアルでは、ライダー自らがバランスをとってあげる必要が出てきます。
トライアル特有の地形は、トライアル以外ではあり得ない波乱万丈なものです。道なき道をいくのがトライアルの醍醐味なので、最低限のテクニックを会得して、早く慣れちゃってください。オフロードライディングの醍醐味に触れれば、きっとトライアルのとりことなるにちがいありません。
スタンディングスティルのすすめ
 スピードのごく遅いトライアルでは、ライダーが積極的にバランスをとってあげる必要があります。スピードを出すことによって安定する二輪車の特性を利用できないことが多いからです。
 極低速でのバランス訓練といえば、スタンディングスティルが最適です。ガレージでも練習できるし、燃料も不要です。
 スタンディングスティルの練習を不要とする意見もあります。こういうことを言う方には二種類いらして、まずスタンディングスティルをいとも簡単にできるようになった人。もう一方は、トライアルはけっこうじゅうずなのに、スタンディングスティルはできない方々。
 前者の方々は、トライアルがちっともうまくならないみなさんにとって、あまり参考にならなあいことが多々あります。

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