雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

トライアル事始

ブレーキ

下り坂

 トライアルをやりたいと志す人でも、ブレーキの使い方がわからないという人は、ごく少ないのではないかと思います。オートバイにも乗ったことがない、自転車にも乗ったことがないという人が、いきなりトライアルをやってみるなんてケースは、ふつうはないといっていいですからね。
 では、トライアル初心者でも、誰でもきちんと使えているものでしょうか。これがまた、そんなに簡単ではないのが現実です。あれもこれも、トライアルというのは、ほんとにむずかしいものばかり。もうしわけないです。

ブレーキレバー

 まずトライアルマシンの構造的に、たいへんにブレーキが利くという特性があります。ディスクは小さいし、スピードが出ていないから、大半の人がなめてかかってブレーキレバーを握ったりするのかもしれません。ブレーキレバーに触ったとたんにフロントタイヤがパタリと動きを止めて転倒していたという人もいました。たぶん、初めてトライアルマシンに触れたときの感想としては「なんてコントロールの利かない、なんて制動力の高いブレーキなんだろう」と思うにちがいありません。
 ところがちょっとトライアルライディングに慣れてくると、このブレーキが「甘いブレーキ」に感じられるようになってくる。それだけちがいがわかるライダーになっちゃったってことなんですが、そのちがいとは、ブレーキのコントロールを、指の動きがいかにつかさどっているかどうか、ということなんですね。
 今のトライアルマシン、トライアルをするためだけの専用の設計がされています。高速道路を走る必要もないから、想定されるスピードはいたって低速重視。トライアルだから、まぁそれでいいのです。それゆえに、トライアルの舞台ではびっくりするような高性能を発揮します。その高性能ブレーキを一気に握ってしまったら、その場でピタッと止まります。そのかわり、ほんの少し握ればほんの少し制動する、ちょっと握ればちょっと制動する、もう少し握ればもう少し制動すると、たいへんコントローラブルに機能しています。
 それでは次に、コントロール性の高いブレーキの使い方を教えてしんぜたいところなのですが、こればっかりは、ていねいに、そーっと扱うという以外にはありません。そして、急制動したければ急制動したいときほど、ていねいにゆっくり操作する必要があります。ゆっくりブレーキを握っていたら間に合わないかもしれません。でもじょうずになると、ほんの一瞬のうちに、フロントタイヤの滑り具合を観察しながら、右手の人さし指がブレーキレバーを自動操縦して前輪を止めていくものです。
 リヤブレーキは、前輪に比べると制動そのものはらくちんかもしれません。後輪がロックしても、即転倒ということにはならないからです。でもリヤブレーキは、場合によっては加速中にも使ったりします。これまた、右足の先っちょが、自動操縦でリヤブレーキをコントロールできるようになれると、きっとトライアルの世界は広がると思います。
 そうそう、慎重なブレーキ操作はかけるときばっかりじゃありません。ブレーキを開放するときも、ていねいに正確に。ブレーキの放し方は、サスペンションの使い方にもつながりますから、これまたきっと奥が深いのだということに気がつかれると思います。

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