雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

トライアル事始

ゼロからのスタンディングスティル

すわって

 スタンディングスティルがむずかしいのは、一人で立とうとがんばっているオートバイに対して、人間が右に左によけいなアクションを加えてバランスを崩しているからです。
 ためしにトライアルマシンを1台持ってきて、オートバイから降りて、ハンドルをいっぱいに切った状態で、左右のバランス位置を確認しながら、そーっと手を放してみてください。現代のトライアルマシンは、たいてい一人で立ちます。5分も10分も経たせておくのはむずかしいかもしれませんが(不可能ではありませんけど、ちょっとした風が吹いても倒れます)、10秒や20秒は立ってます。その状態を人間がじゃましなければ、スタンディングスティルは、そんなにむずかしくないのです。


 一人で立っていられるオートバイのじゃまをしないようにするには、まず、人間がよけいなアクションをしないことです。そこでまず、フットレストに立たずに、どっかり座ってみます。座ってしまえば、からだの自由はだいぶ奪われます。
 からだが動かせない状態で、微妙に左右に倒れていくのを、コントロールするには、まずハンドル操作によるスタンディングスティルを覚えましょう。スタンディングスティルをするにはいろんな方法がありますが、ハンドル操作が誰でも必ずできるようになる方法です。
 ハンドルをどちらかにいっぱいに切ります。切った状態ですっと手を放すと、少しだけ舵角が戻ります。そのへんの舵角を維持するように、あとはマシンが倒れそうになるほうに、ハンドルをちょいと切ってあげます。右に倒れそうになったら右にハンドルを切ります。左に倒れそうになったら左に切れます。操作はこれだけです。マシンにどっかり座って、よけいなボディアクションをしなければ、これでマシンは立ち続けるはずです。

ステアリングの理屈

 このまま、しばらく訓練していると、手首が勝手に反応して、倒れそうになるマシンを起こしてくれるようになります。こんなふうに、からだが無意識に反応するようになったら閉めたもの。次のステップに進みましょう(ここまで早い人で20分、少し時間がかかる人で1時間くらいのコース)。
 ハンドルの操作でマシンが起き上がったりするのは、オートバイに限らず、ほとんどすべての二輪車がこういうふうにできているからです。そしてオートバイに乗っている人は、みんなこのアクションをおこなって、オートバイをバンクさせているのです。ただし、あまりにもオートバイの設計がよいために、ほとんどのライダーが気がつかないまま操作しているのです。
 では、次はいよいよ立ち上がってみましょう。

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